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日本女子やった初の団体銅/アーチェリー

女子団体で銅メダルを獲得し笑顔の左から早川漣、蟹江美貴、川中香緒里(共同)
女子団体で銅メダルを獲得し笑顔の左から早川漣、蟹江美貴、川中香緒里(共同)

<ロンドン五輪:アーチェリー>◇29日◇女子団体

 女子団体で日本が男女通じて初の団体メダルとなる銅メダルを獲得した。女子のメダル獲得は初めて。早川漣(24=長崎・佐世保商高職)蟹江美貴(23=ミキハウス)川中香緒里(20=近大)の日本は、1回戦でウクライナを207-192、準々決勝でメキシコを219-209で下し、準決勝では五輪7連覇を狙う韓国に206-221で敗れ、3位決定戦へ。ロシアを最終エンドで逆転、209-207で撃破した。

 179センチの早川に、ぶらさがるように蟹江、川中がしがみついて、輪になって何度も跳びはねた。女子初のメダルは、男女を通じて初の団体メダル。抱き合って喜ぶ3人の笑顔がはじけた。

 ロシアとの3位決定戦。1エンド1人2射ずつ、4エンドの合計(全24射)の合計点で争う。第2エンドを終えて4点差。ジリジリと追いつき、最終第4エンドの1射目を終えて181-181の同点に。最後の1本ずつを先にうつ日本は、蟹江、川中が9点を挙げる。最後は早川が10点を射貫いて、ロシアにプレッシャーをかけた。ロシアは3人目が10点を出せばシュートオフ(延長戦)になるところだったが、最後の1射が8点に終わった。

 「試合中、どうしても顔がこわばってしまうので、ずっと笑っていた」と、ムードメーカーの蟹江は笑いながら涙をこぼした。クールで表情にあまり出さない川中は「相当、うれしいです。全然実感沸かないですけど」と珍しく声を上ずらせた。韓国出身でリーダー格の早川は「(準決勝の)韓国戦では、心のどこかに動揺があって…。(不振で)申し訳なかった。最後に挽回できたかな」と、笑顔をみせた。

 3人とも五輪初出場。6月の最終予選となったW杯でも3位決定戦を勝ち抜いて五輪出場権を得た。世界ランクは11位。目標はメダルにおいた。「団体のメンバーはよく知っている仲」と話す川中。「個人個人に力があるし、結束力がある」と蟹江。1回戦で世界3位ウクライナ、準々決勝で同5位メキシコ、最後は同7位ロシアと、格上を撃破したのも、それぞれの持ち味と信頼がかみ合った結果だった。

 歴史的な快挙を成し遂げた。ひと息つく暇はない。きょう30日から個人戦が始まる。女子初の個人メダルも、この勢いでつかみ取りたい。

 ◆早川漣(はやかわ・れん)1987年(昭62)8月24日、韓国・全州生まれ。韓国全北体育高から日体大。09年日本国籍取得。姉浪は北京五輪代表。179センチ、65キロ。

 ◆蟹江美貴(かにえ・みき)1988年(昭63)12月4日、愛知県生まれ。愛知産大三河高から近大。09年世界選手権団体2位、個人7位。162センチ、64キロ。

 ◆川中香緒里(かわなか・かおり)1991年(平3)8月3日、鳥取県生まれ。米子南高から近大。10年広州アジア大会代表、11年世界選手権代表。159センチ、50キロ。

 [2012年7月30日8時37分 紙面から]



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