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コラム Nikkan Olympic Column
五輪ヒーロー・ヒロイン列伝 五輪コラム

五輪ヒーロー・ヒロイン列伝

 ロンドン五輪では日本選手への期待はもちろん、大舞台で新たなヒーロー、ヒロインの登場も楽しみなところ。あなたの記憶に今も残る、偉大なアス リートたちをプレーバックする。

まさかの3大会連続「記録なし」

92年バルセロナ大会男子棒高跳びで、バーを落とし記録なしに終わったセルゲイ・ブブカ
92年バルセロナ大会男子棒高跳びで、バーを落とし記録なしに終わったセルゲイ・ブブカ

<セルゲイ・ブブカ(ウクライナ=棒高跳び)>

 五輪に「絶対」はないことを身をもって知らされた。85年パリ国際陸上、棒高跳びで人類初の6メートルを跳んだ。88年ソウル大会では5メートル90で金メダル。その後も世界記録を更新し、92年バルセロナ大会を迎えた。

 予選の5メートル60を1回でクリアし、翌日の決勝へ。当時、持っていた屋外世界記録は6メートル11。誰もが金メダルを疑わなかった。ウオーミングアップ代わりとみられた5メートル70の1回目。明らかに助走のスピードが遅い。バーの下をくぐって失敗。続けて跳ばなくてはならず、5分後の2回目も膝がバーに当たって失敗。自身の記録より40センチ以上低いバーを越えられない。5メートル70の3回目をパスし、5メートル75に上げた。座って考え込む。顔は引きつっていた。ラストチャンスも、バーに触れた。一瞬間をおいて、バーはブブカの上に落ちた。記録なしに終わった。

 96年アトランタ大会。自身の記録は6メートル14に伸びていた。予選、ウオームアップ中に右アキレスけんのアイシングを始めた後、荷物をまとめて会場を去り、1本も跳ばず棄権。00年シドニー大会で5メートル75を跳べず記録なしに終わった。世界記録を35回更新した「鳥人」は五輪の「魔物」に取りつかれた。

 [2012年8月9日13時56分]



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