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コラム Nikkan Olympic Column
五輪ヒーロー・ヒロイン列伝 五輪コラム

五輪ヒーロー・ヒロイン列伝

 ロンドン五輪では日本選手への期待はもちろん、大舞台で新たなヒーロー、ヒロインの登場も楽しみなところ。あなたの記憶に今も残る、偉大なアス リートたちをプレーバックする。

強「豪」の先駆者17歳3冠

<マレー・ローズ(オーストラリア=競泳男子)>

 56年メルボルン大会。当時はラジオ中継が主流だった。ラジオの前の日本人を悔しがらせたのが、この人だった。

 男子自由形の中・長距離で日本の期待を担ったのが山中毅。同じ17歳だった。400メートルでは、自己ベストの山中を3秒1上回る4分27秒3で金メダルを獲得。1500メートルで再び激突する。リードを奪って残り50メートル。山中のスパートで、みるみる差を縮められるが、なんとか逃げ切った。ローズ17分58秒9、山中18分0秒3。「あと5メートル、プールが長かったら」と、日本選手団を悔しがらせたという。800メートルリレーでも金メダル獲得。史上初の17歳での3冠で、国民的英雄になった。

 留学先の米国・南カリフォルニア大で一緒だった山中とは、60年ローマ大会で再び激突。400メートル自由形で2連覇を達成した。2大会で金4、銀1、銅1の計6個のメダルを獲得し、当時「史上最高のスイマー」と呼ばれた。今年4月、白血病のため、シドニーで死去した。オーストラリアが「競泳王国」になっていく先駆者だった。

 [2012年8月9日13時46分]



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