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 社会部事件担当の石井康夫記者が英国社会の深層に迫る。五輪会場の内外に目を向け、現地住民の反応から、ホスト国の社会問題を多角的に取り上げる。

8日で6戦 日の丸サポーター後押し

 1次リーグが終了し、男女ともに決勝トーナメントに進出した日本サッカー。その快進撃を支えるのが、日本から英国各地のスタジアムに詰めかける多くのサポーターたちだ。中には8日間で男女1次リーグ全6戦を応援した超強行軍の男性会社員もいる。3日(日本時間4日未明)の女子準々決勝も、スタンドにはためく日の丸が、なでしこジャパンの活躍を後押しする。

 1日の男子日本-ホンジュラス戦が行われたコベントリースタジアム。スコアレスドローの笛が鳴り、1次リーグ首位通過を決めると「ニッポン」「ニッポン」の大合唱が沸き起こった。スタンドのあちこちで日の丸が振られ、まるでホームのような雰囲気だ。パワフルな日本サポーターの応援ぶりに、地元英国の観客からも拍手が起こった。

 英国は日本から直行便でも約12時間の遠い国だが、会場には日本人の多さが目立った。試合開始前から続々と青いジャージーを着た人々がスタジアム入り。前日にカーディフで女子を応援後、その足で男子会場に駆け付けたという自営業北脇秀記さん(31)は「ちょっとしんどいが、五輪はお祭り。楽しんでいます」と笑った。

 25日の女子初戦から1次リーグ男女全6戦を観戦したつわものもいる。埼玉県の男性会社員(28)は、電車に深夜バス、飛行機をフルに使い、ロンドン、コベントリー、グラスゴー、ニューカッスル、カーディフの5都市を駆け抜けた。8日間の移動総距離は約3000キロ。「勝ち続ける限り英国に残ります。会社は適当に理由をつけて休んじゃう」と、大事を取って匿名を希望した。

 サポーターの観戦予算の平均は40万~50万円。かなりの高額だが、新潟県の男性(60)は「選手が頑張ったから、僕らも五輪に来ることができた。それでまた、選手が頑張ってくれるならこんなにいい循環はないでしょう」と話す。

 1日の試合後も、3日のなでしこジャパン準々決勝の会場カーディフに向け、続々と移動を始める人々の姿があった。日本人サポーターの英国行脚が、男女アベックメダルへの大きな力になりそうだ。

 [2012年8月3日8時36分 紙面から]



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