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コラム Nikkan Olympic Column
ロンドンの風~記者コラム~ 五輪コラム ロンドンの風~記者コラム~

 現地派遣記者による日替わりコラム。一風変わった観客、記者席で絶叫する外国人記者、選手の家族など、取材でのこぼれ話を中心にお届けします。

愚痴ってみた…錦織見たかったなぁー

 現地にいると、日本国内が、五輪でどのような騒ぎになっているかが全く分からない。もっと言えば、1つの競技を取材に行くと、周りで何が起こっているか分からない。五輪という世界最大の総合競技大会を実感できるのは、記者の集まる巨大なプレスセンターにいるときぐらいだ。

 五輪はテレビで見るに限るとよく言われた。もちろん、生で味わう空気は、何ものにも替え難い。しかし、五輪の全体像を見るには、テレビが一番というわけだ。新聞だって負けてはいない。一目でその日に何が行われているかが分かるよう、紙面作りは心がけているつもりだ。

 テニス男子の錦織圭が、世界5位のフェレールを破り8強入りした。快挙だが、錦織はいたって冷静だ。米国在住の彼はツアーを転戦するため、どんなに活躍してもほとんど帰国しない。今五輪も米国から直接ロンドンに入った。そのため、日本国内の盛り上がりが、まったく分からない。

 以前、「米国で歩いていても、誰も気がつかない」と話していた。これは楽ちんだ。気を使う必要もなく、好きに振る舞える。試合でも変なプレッシャーを感じることなく戦える。これも錦織の強さだ。

 なぜ、こんなまじめなコラムになったかって? 体操担当として、内村の金メダルを取材したため、ウィンブルドンに行けなかったから。見たかったなぁーと愚痴をこぼすためです。【吉松忠弘】

 [2012年8月3日9時32分 紙面から]



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