ロス1大会でメダル6個/李寧
<李寧(中国=体操男子)>
08年北京五輪開会式、1人の「おじさん」がメーン競技場「鳥の巣」の壁面を宙づりになって聖火を持って走った。最終聖火ランナーに選ばれたのは、中国の国民的英雄「体操王子」だった。開会式の演出を担当したのは、ワイヤアクションを世界に広めた映画監督の張芸謀(チャン・イーモウ)氏。極秘に練習したという。現役時代そのままの身のこなしだった。
84年ロサンゼルス大会。東側諸国がボイコットする中、中国は参加した。体操男子では、地元米国勢を悔しがらせた。団体では米国に敗れ、個人総合では具志堅(日本)ビドマー(米国)と激闘を展開。具志堅が大逆転で優勝、李は0・125差の3位だったが、続く種目別で本領を発揮する。床、あん馬、つり輪ですべて10点満点をマークし、3種目に優勝。1大会で金3、銀2、銅1の計6個のメダルを獲得した。
88年ソウル大会ではメダルなしに終わり、引退。李寧有限公司を立ち上げ、ビジネス界に進出した。「Li Ning」ブランドのスポーツ用品などで成功を収めている。