なでしこ30度3時間トレ 足にくるのよね
素足になってクールダウンする熊谷(左)と鮫島(撮影・宮川勝也)
佐々木則夫監督(54)が鬼軍曹を貫いた。国内合宿が残りわずかの中、なでしこジャパンは13日、千葉県内で練習した。宿舎で朝食後に1時間のミーティングを行い、グラウンドでは気温30度の中、異例の3時間練習で選手を徹底的に追い込んだ。4時間後、選手はピッチに倒れ込むハードメニュー。その姿に鬼軍曹はニンマリ。すべては中2日で試合が続く五輪に備えた体力強化の一環。極限まで追い込み、五輪本番にピークを合わせる佐々木監督の戦略は狙い通りに進んでいる。
練習が終わると、ピッチ上には22人の選手が力尽きていた。練習開始から3時間を経過。選手らの限界も超えた。エース沢や、W杯ドイツ大会や五輪アジア予選に全試合フル出場した不動のサイドバック鮫島、近賀でさえ立ち上がることすら困難なほど、厳しいメニューだった。
その光景に1人だけ満足そうな表情なのは佐々木監督だ。前日12日に野球の「1000本ノック」を予告していたが「そんなことすらできないくらい、厳しく練習をやってやったよ。この暑さで3時間以上。狙い通りだね」。
五輪本番で金メダルを獲得するには、決勝まで中2日の6連戦が待っている。耐え得る体力強化が最大の目的。1次リーグ初戦カナダ戦(25日)まで、あと12日。疲労のピークをこの日に選んだ。
男子大学生との試合形式練習では「ガチンコで」と相手に100%の戦いを求めた。「切ったり、たんこぶをつくっても今なら(本番に)間に合う」と負傷も覚悟のうえだった。
体格の良い選手を集め欧米のパワーを想定した“仮想カナダ、米国”チーム。スピードや技術のある“仮想スウェーデン、南アフリカ”チーム。2チームとなでしこを交互に戦わせた。特に、守備に重点を置いた。「後半終了間際の体力的にきつい時に守りきれる練習にもなった」と、非公開練習の内容を明かした。
練習前には宿舎で1次リーグ対戦3カ国のVTRを選手に見せ、イメージを持って臨ませた。頭で考え、体で覚える。
充実の1日を終えたDF岩清水梓(25=日テレ)は「ちょっときつすぎましたね。ケガ明けの私にはいいリハビリになりました。こんなに厳しく、しかもいろいろ確認しながらコンディションを上げられるのは今だけなので良かった」。顔を赤くほてらせながら最後の力を振り絞って話した。鬼と化したノリさんの意図は、選手に十分伝わった。【鎌田直秀】