ホンジュラス監督こっそり観戦…ビビる
日本代表を視察し、列車で帰路に就くホンジュラス代表のスアレス監督(撮影・菅敏)
【グラスゴー(英国)22日=福岡吉央】五輪1次リーグで日本と同組になるホンジュラスのスアレス監督(52)が、FW永井ら日本の攻撃陣を警戒した。スアレス監督は前日21日に行われたメキシコ戦を極秘視察。日刊スポーツの取材に対し、「技術が高く、パス回しも速い。前の4人が流動的に動く、レベルの高いチームだ」と印象を話した。日本は8月1日の1次リーグ第3戦でホンジュラスと対戦する。
かつてエクアドルを同国初のW杯決勝トーナメントに導いたこともあるコロンビア人の名将は、自らの目に日本の攻撃をはっきりと焼き付けていた。ホンジュラスは20日にグラスゴーに到着。21日はオフで、スアレス監督は1人で列車を3本乗り継ぎ、片道5時間以上かけてノッティンガム入り。入場券を買い、日本のサポーターに紛れてバックスタンドで身を潜めて試合を観戦していた。
「日本は前の4人が流動的に動くすごくいいチームだ。ボランチの3番(MF扇原)もいいボールを出すし、右サイドバックの酒井宏も効果的なオーバーラップを見せる。先制点を決めた10番(MF東)や長身のFW(杉本)も警戒しないといけない」
グラスゴーに戻る列車内では、持参したノートとiPadを駆使し、分析した日本の戦術を事細かに書き記した。「永井はとても俊足。だがうちの(A代表にも名を連ねる)DFレベロンも足は速いし対応できる。FWにも(OAの)俊足ベントソンがいる」と不敵な笑みも浮かべた。
「D組はどの国も強いし、1次リーグを突破するのは簡単ではない。でも我々は欧州に入ってからの練習試合で3連勝しており、チームの調子もすごくいい。五輪ではまずは1次リーグ突破を目指して戦うよ」
ホンジュラスは北中米カリブ海予選で2度メキシコと対戦。2度ともメキシコに敗れているが、スアレス監督は「メキシコは日本戦の出来がベストではない。トゥーロン国際大会や北中米カリブ海予選はもっとよかった。これはあくまで練習試合だ」と、日本戦勝利に自信をのぞかせた。
◆ルイス・フェルナンド・スアレス 1959年12月23日、コロンビア生まれ。現役時代はDFで、89年にコロンビアのアトレチコ・ナシオナルでリベルタドーレス杯優勝。監督1年目の99年には同クラブでリーグ優勝。04~07年までエクアドル代表監督を務め、06年W杯ドイツ大会ではチームを同国初の16強に導いた。11年からホンジュラスのA代表と五輪代表監督を兼任。同年のゴールド杯では4強に進出している。