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星、母とともに銅「ウルっ」/競泳

銅メダルを手に笑顔を見せる星(撮影・田崎高広)

銅メダルを手に笑顔を見せる星(撮影・田崎高広)

<ロンドン五輪:競泳>◇1日(日本時間2日)◇女子200メートルバタフライ決勝

 星奈津美(21=スウィン大教)が追い込んだ。150メートルのターンは5番手。そこから持ち味を発揮した。先行する選手を次々とかわし、3着でゴール。4月の日本選手権で出した驚異的な日本記録、2分4秒69には及ばなかったが、2分5秒48で銅メダルを射止めた。

 昨年の世界選手権では、わずか100分の1秒差で逃した表彰台。その雪辱を期した舞台で、求められた結果だ。「去年は4番で、この五輪では絶対にメダルをとりたいという気持ちが強かったのでホッとしてます。うれしいです」。涙が目にあふれていた。

 最愛の母真奈美さんが、星を支えてきた。競技人生の危機に直面したのが高校1年の3月。バセドー病が発覚した。

 体が重く、階段の上り下りに息を切らした。それにいち早く気づいたのが真奈美さんだった。同じ甲状腺の病気である橋本病を患ったこともあり、「病院に行こう」。その後も献身的に支えた。その恩に報いるように、星も記録を伸ばし続け、世界レベルの選手までに成長した。

 レース前、日本で声援を送る母から、星にメールが届いた。「4年間いろいろあったけど、最後は自分らしく笑顔でやってきてね」。それに対し、星は「返信を打ってたら、ウルっときちゃった。本当に今まで一緒に戦ってくれてありがとう」。固い絆で結ばれた母子の思いが、結実した。

 ◆星奈津美(ほし・なつみ)1990年(平2)8月21日、埼玉県越谷市生まれ。1歳で水泳を始め、春日部共栄高3年の時に北京五輪に出場し、200メートルバタフライで10位(準決勝敗退)。現在は早大4年在学中。嵐の大ファンで、星はリーダーの大野智、母真奈美さんは櫻井翔の大ファン。今回も嵐のDVDを持ってロンドン入り。164センチ、54キロ。血液型はA。

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競泳評論・高橋繁浩

元五輪代表の高橋繁浩氏(中京大教授)が五輪競泳を評します。

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