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松田「リオも次も次も」法華津目指す

絵馬を手にガッツポーズする、左からピストルの松田、小西、ライフルの谷島
絵馬を手にガッツポーズする、左からピストルの松田、小西、ライフルの谷島

 「射撃界の法華津」に照準を合わせます。ロンドン五輪ライフル射撃代表3選手の会見と壮行会が18日、都内で開かれた。2大会連続出場の松田知幸(36=神奈川県警)は、開会式翌日28日の10メートルエアピストルで金メダル第1号の期待がかかるが、「連続メダルを狙ってます」と視線はさらに先に。日本五輪史上最年長の71歳で出場する馬術の法華津寛を引き合いに「超えたい。リオ五輪も出たいし、次も次も」と意外なチャレンジを表明した。

 ロンドンでの金メダルの意気込みを聞かれた松田が、サラッと言った。「リオも視野に入れて既に動きだしているので、2大会連続でメダルを取りたいです」。日本が生んだ希代のピストル選手が見据えていたのは、さらに先だった。「20年に東京五輪の招致に成功したら、そこでも頑張って。法華津選手を超えられるくらいの最年長選手になりたいです」と続けた。

 北京五輪では銃の故障で8位。悔しさを糧にまい進したこの4年間で、世界のトップ選手に駆け上がった。10年以降の世界選手権、W杯で50メートルピストル4回、10メートル2回の優勝。特に五輪の前哨戦となった4月のW杯ロンドン大会の50メートルで1位となり、金メダルの期待が高まっている。だが、当人は今大会だけで終わる気持ちは毛頭なかった。

 馬術同様、射撃選手は息が長い。84年ロサンゼルス五輪で同競技日本人初の金メダリストとなった蒲池猛夫は当時48歳。「世界では50歳くらいでメダルを取る選手もいる」と松田は話す。ロンドンで始まる連続メダルの可能性は十分ある。

 「既に動きだしている」との言葉どおり、老眼対策も含めた視力訓練、体幹を鍛える地道なトレーニングにも北京後に着手した。また、最近の愛読書は、中2でバスケットボール部の長男侑大くんが読んでいた「スラムダンク勝利学」。ベストセラー漫画の名言などを分析した本だが、その中にあるのが、主人公が所属する部の監督が言う「あきらめたらそこで試合終了ですよ」。松田は会見で「試合でも最後の1発まであきらめないで戦いたい」と誓った。競技生活そのものでもあきらめ知らずで、鉄人になる。【阿部健吾】

 [2012年7月19日9時32分 紙面から]