沢が男に興奮！勇気もらった女も続く

　【コベントリー（英国）２７日＝鎌田直秀】なでしこジャパンのＭＦ沢穂希（３３＝ＩＮＡＣ神戸）が、男女アベックメダル獲得を願った。男子五輪代表のスペイン撃破を自分のことのように喜んだ。１０年アジア大会でも“弟たち”との相乗効果でアベック優勝を遂げただけに再現を狙う。２７日は今日２８日の１次リーグ第２戦スウェーデン戦に向けて、約１時間半の調整。刺激を受けた沢は、中２日の強行日程でも好調を維持。スウェーデン戦では自らの得点で、さらに勢いを加速させる。

　沢は興奮気味だった。「めっちゃ、すごいよね、男子。スペインだもん」。満面の笑みだった。男子五輪代表のスペイン撃破に大きな刺激を受けた。自分たちだけでなく、男女一緒の快挙を願った。

　沢　すごく応援していたし、勝利は自分のことのようにうれしい。私たちにも刺激になる。もちろんそろって金メダルが１番の理想。とにかく男女ともにメダルがとれたら最高だよね。

　２６日の練習後、宿舎の部屋で「グラスゴーの奇跡」を見届けた。沢にとっても男子五輪代表には強い思い入れがある。１０年のアジア大会では、関塚ジャパン立ち上げとなった当時のＵ－２１（２１歳以下）日本代表とともに、ロンドン五輪出場を誓い合った。選手村で交流も多く、お互いが刺激を受け合って、男女アベックＶ。女子にとってもアジアを初制覇した大会だけに、沢は感謝している。

　沢　アジア大会の時もお互いが刺激し合って金メダルがとれた。今回もできればいい。男子も女子も準決勝までいけば（男子が１次リーグ１位、女子が同２位以内の場合）、選手村で一緒にもなれるよね。他競技も含めてオールジャパンで頑張らないと。

　幸いなことにカナダ戦から中２日の強行日程も体調は絶好調だ。この日の練習後には左太もも裏をアイシングしていたが「カナダ戦で痛めたけど大丈夫。トレーナーに言われちゃったからやってる」と気にするそぶりはない。「不思議なくらい体が重くない。私もチームも雰囲気いいし」と気分は上々だった。

　宿舎の中でもリラックスを図っている。フランス合宿中とは違い、湯船にお湯をためてアロマバスにしたり、読書をしたり。お気に入りのネイルも初披露。「かわいいでしょ。五輪バージョンだよ」。左手薬指には五輪マーク。右手人さし指には背番号１０。それ以外はゴールドで星などが描かれている。「五輪マークを見ると燃える」と闘争心のアイテムでもある。

　カナダ戦で積極的に攻撃参加したように、得点意欲も継続中だ。「少しでもシュートチャンスがあったら、どんどん狙っていきたい。体格差では勝てない分、頭を使って勝負したい」。沢のゴールでの勝利は、男子へのエールとなる。

　［2012年7月28日7時10分　紙面から］