関塚日本「ザックの助言」でスペイン倒す

　「ザックの助言」が関塚ジャパンを番狂わせに導く！？　ロンドン五輪日本代表は五輪１次リーグ初戦（２６日、グラスゴー）でＤＦジョルディ・アルバ（２３＝バレンシア）ら欧州選手権優勝メンバー３人を含む豪華布陣のスペインと対戦する。完全な劣勢が予想される中、日本協会関係者は４日、欧州選手権決勝スペイン－イタリア戦を視察した日本代表ザッケローニ監督（５９）が自らの分析をもとに、五輪代表の関塚隆監督（５１）に貴重な助言を送ることを明言した。

　五輪での戦いの命運を握ると言える初戦で強豪スペインと激突する関塚ジャパンを、ザッケローニ監督がアシストする！？　日本協会関係者はこの日「ザッケローニ監督は必要とあれば喜んで協力する。実際にスペインの戦いを、アルバの生のプレーを見ているわけだから」と明言した。

　勝負の鍵を握るのは欧州選手権決勝でもフル出場し、ゴールまでマークしたスペインの左サイドバック（ＳＢ）のアルバ封じだ。もとは攻撃的なポジションでプレーしており、昨季から左ＳＢに固定。個人能力で突破するだけでなく、前線に１度ボールを預けてスペースに走り込むなどの判断力にもたけている。

　関塚ジャパンは右サイドのＭＦ清武とＤＦ酒井宏のコンビが攻撃の軸となる。当然、アルバを擁するスペインの左サイドとは対面する形。関塚監督も「五輪ではサイドでの縦への突破が大事になる」と明言しているほどで、清武＆酒井宏対アルバの攻防が試合の流れを決める可能性がある。

　Ａ代表のアルバは左ＭＦイニエスタに１度ボールを預けてタイミング良く上がるケースが多かった。五輪代表にイニエスタはいないが、アルバ封じのために前線のスペースを消すのか、それともアルバへのパスの出し手（Ａ代表ならイニエスタ）をつぶすのか、はたまた他の手段があるか。戦術家として有名で、欧州サッカーを知り尽くすザッケローニ監督の助言があれば、大きなヒントになる。

　イタリア人指揮官は五輪本番を視察に訪れることが決まっている。同関係者は「ザッケローニ監督は協力は惜しまないし、五輪代表に期待していると話している」と明かした。チームこそ違えど、欧州選手権に続き、五輪制覇も目指すスペインに対して、貴重な助言が番狂わせへのきっかけになるか－。

　［2012年7月5日7時4分　紙面から］