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フジカキ銀…熱闘及ばず/バドミントン

女子ダブルスで銀メダルを獲得し、うれし涙を流す藤井(右)と垣岩

女子ダブルスで銀メダルを獲得し、うれし涙を流す藤井(右)と垣岩

<ロンドン五輪:バドミントン>◇4日(日本時間5日)◇女子ダブルス決勝

 フジカキ、惜しくも銀メダル-。バドミントン女子のダブルス決勝が、ウェンブリーアリーナで行われ、世界5位で日本バドミントン史上初の五輪メダルが確定していた藤井瑞希、垣岩令佳(ともに23=ルネサス)組は、同2位の田卿、趙■蕾(中国)組に0-2で敗れた。青森山田高時代から組んできた「先輩、後輩ペア」は絶妙なコンビネーションで決勝まで勝ち上がったが、金メダルに届かなかった。

 金メダルへあと1歩だった。第1ゲームは開始から2点を先行したが、自在にシャトルをコントロールする中国ペアに、コースをつかれ翻弄(ほんろう)された。3-2リードから5ポイントを連取された。イージーミスも出て、その差は広がり続けて10-21で第1ゲームを落とした。第2ゲームは粘りを見せて、一時は13-10とリードを広げた。終盤は一進一退の接戦となり、23-23までもつれる大熱戦になったが、そこから2点を連取されて力尽きた。

 頂点は逃したが、胸を張っていい銀メダルだった。運も味方した。無気力試合で4組が失格となる前代未聞の珍事が起きた。予選リーグで決勝トーナメントの組み合わせを有利にしようと、わざと負けたと判断された。フジカキの準決勝の相手は本当なら世界1位の中国ペア。しかし、同ペアが失格したため、同27位の格下カナダペアに代わった。そのチャンスを初のメダルに結びつけた。

 青森山田高の先輩、後輩だ。藤井が2年、垣岩が1年の夏の東北大会団体戦決勝。突然、2人で組めと監督に言われた。そこで最初から長年組んできたようなコンビネーションを見せた。「すごくダブルスが上手だったわけじゃないが、すごくかみ合った感覚しかなかった」(藤井)。それが五輪への道の出発点となった。

 07年、藤井はルネサスに入社すると、すぐに後輩の垣岩のことを思い出した。「世界を目指そうと思ったとき、ペアは垣岩しかなかった」。携帯電話で垣岩に卒業後にルネサスに来るように誘った。「一緒にオリンピックを目指そう」。進路を悩んでいた垣岩は迷わず返事をした。「じゃあいきます」。

 多彩なショットを操るセンス抜群の藤井と、ジャンピングスマッシュなど強打が持ち味の垣岩のペアは、見事なコンビネーションで着実に成長を遂げた。特にこの1年で目覚ましく成長した。昨年は伝統の全英オープンで準優勝。格の高いスーパーシリーズ12大会で7度も4強に入った。

 ペアを組んで以来、家族より長い時間を一緒に過ごしている。藤井は休日で友人と過ごしているときでも、その友人を「令佳」と呼んでしまうという。北京五輪で先輩のスエマエがメダルを逃した時、観客席で2人は「次はわたしたちがメダルを取る」と誓い合った。その2人の思いが、日本バドミントン史上初のメダルで結実した。【吉松忠弘】

※■はクサカンムリに雲

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