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  1. コラム

オッギーのOh! Olympic

お家芸 内村は守ったが柔道は…?

 内村の強さばかりが目立った体操男子の個人総合だった。これほど外国勢と差がついた裏には、中国などが「スペシャリスト」育成に力を入れ「オールラウンダー」が出にくくなった背景がある。個人総合も種目別も、メダルは1個ずつ。数を増やすなら、種目別に特化した方が早いからだ。

 しかし、本来の体操の目的は「すべての種目をすること」。競技の創始者フリードリッヒ・ヤーン(ドイツ)は、総合的な運動が重要だとした。種目に特化することは、その思想からも外れることになる。

 1900年パリ大会で行われた体操競技は、個人総合1種目だった。現在の鉄棒、平行棒などのほかに綱のぼりや重量挙げ、さらに走り幅跳び、棒高跳びと16種目の総合得点を競った。真の「スーパーマン」を決めるのが体操競技。だからこそ、元世界王者の具志堅氏は「総合を突き詰める姿勢がいい」と絶賛する。

 もう1つ、内村の特徴は演技に「美しさ」があること。体操競技は英語で「アーティスティック・ジムナスティック」。芸術性が重視されている。難しい技を美しく見せることが大切。国際体操連盟技術副委員長の加藤沢男氏は「難度だけを求めたらサーカスになってしまう」と危惧する。

 「美しきオールラウンダー」は体操の根幹。日本体操だけでなく、世界の体操競技を守ったのが内村だ。「国際体操連盟でも、個人総合の価値を高めるべきという意見があるし、より美しさを求めようという動きもある」と加藤氏。単に世界王者としてだけでなく、内村には世界の体操界を引っ張ることが期待される。

 内村は日本の体操を守ったけれど、日本の柔道は大ピンチ。特に男子は目を覆うばかりだ。「最後のトリデ」と思っていた穴井が、一本負け。出合い頭に倒されるのと違い、25秒かかる寝技の負けは見ている者にとっても屈辱感が強い。

 88年ソウル大会は、最後にロス五輪王者の斉藤仁がいた。ケガで満足な体ではなかったが、全日本選手権と体重別に優勝し、小川や正木に競り勝って出場を決めた精神力があった。選考対象の両大会に敗れながら「消去法」で代表になった上川に期待できるのか。周囲を気にしないマイペースが予想外の結果を導くことを信じるしかない。【編集委員・荻島弘一】

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