笑顔のもてなしに五輪の成功実感
ロンドン、初めてです。英語? 話せません。出発前、上司に「スギちゃんに似てるな」と言われたが、とてもワイルドな心境にはなれなかった。でも、何とか会話は成り立っている。そう、万国共通の言葉は笑顔 ! ロンドン市内には至る所にボランティアスタッフが立っている。困った顔をしようもんなら、すぐに寄ってくる。しかも優しいスマイルを浮かべて。
今回の五輪は7万人のボランティアがいる。組織委員会のセバスチャン・コー会長が「ボランティアこそ五輪の主役」と言うだけに、彼らは「ゲームズメーカー」と呼ばれる。五輪公園内は赤い2階建てバスの女性運転手が笑顔で迎えてくれる。選手村スタッフも同じようで、競泳の入江は「ニコニコしてあいさつしてくれる」と喜んでいた。やっぱり人間、笑顔1つで幸せな気持ちになれる。
一般市民も同じだ。地下鉄で迷っていると、太い腕に入れ墨の男が寄ってきた。「どこに行きたいんだ?」。でも彼も詳しくなかった。横を通った老人を止める。老人はまた女性に聞き始めた。駅のホームはちょっとした騒ぎに。結局、誰も正解に導いてくれなかったが、みんな「グッドラック ! 」と笑顔だった。白熱した競技も記憶に残るが、ふとした光景も忘れられないもの。英国の「おもてなしの精神」こそが、ロンドン五輪成功の鍵だ。そう、しんどくても笑っていこうぜぇ~。【近間康隆】