アジア背負う日本男子の戦い
開幕から10日。男子サッカー担当の私もようやくロンドン入りが実現した。これまでに滞在してきた街では、街中に五輪の旗が掲げられるなど、雰囲気こそあったが、地元の人々から五輪熱を感じることは正直少なかった。それだけに、ロンドンに到着し、ボランティアスタッフや、道案内をしようと声を掛けてくれる一般人の多さに、五輪に来たという実感が湧いてきた。
英国にはアジアからの出稼ぎも多く、インド人やパキスタン人とも出会った。カフェで隣にいたアフガニスタン人には「日本人かい? サッカーはあと1つ勝てばメダルだな。スペインにも勝ったんだろ? 俺たちの国にはメダルを取れそうな選手はいないし、母国も大変な状況だけど、日本の活躍は同じアジア人として誇りに思う。メダルを取るまで応援しているよ」と、まくし立てられた。
日本が68年にメキシコ五輪で銅メダルを獲得して以来、アジア勢の男子サッカーでのメダルはない。それだけに、4強に進出した日本は韓国とともに、アジア中の期待を背負って戦うことになる。記者もロンドンの地で男子サッカーがメダルを獲得する姿を目に焼き付けたい。【福岡吉央】