言葉って難しい…通訳も緊張感
言葉って難しい。もちろんロンドンは英語。「英語」って書くぐらいだから本場の本場だ。クイーンズイングリッシュだから、少し鼻にかかって、アクセントを強調し、これこそ王道の英語って感じで、「オー」、「ヤー」を連発する米国の英語とはえらい違いだ。
報道陣と選手が接触するミックスゾーンには各国からのボランティア通訳がいる。彼や彼女らも我々と同じく五輪に相当な緊張感を持って挑んでいる。だから最初の通訳をする時など、テンションが上がりすぎて頭の中が真っ白。言葉が出てこない人までいた。
通訳は必ずしもそのスポーツに精通しているわけでない。時々、とんちんかんな訳が生まれる。体操の内村が「五輪に魔物がいる」と話した時、「魔物」を「モンスター」と訳した。五輪のモンスターは内村自身だろう。次には「ウィッチ(魔女)」と訳し、少し進歩。日本語の意味合いを考えれば魔女の方が正しい。
プレスセンターの各社の部屋には、すべての競技が見られるテレビがある。番組表を見たら「ビューティー・チャンネル」というのを見つけた。うーん、これはもしかしてと、よからぬ想像をしてチャンネルを合わせれば、延々と聖火がともる聖火台が映されていた。確かに「ビューティー」だが…。言葉って難しい。【吉松忠弘】