萩野、初めての五輪とは思えぬレース
<ロンドン五輪:競泳>◇28日◇男子400メートル個人メドレー決勝
競泳男子400メートル個人メドレーで17歳の萩野公介(栃木・作新学院高3年=御幸ケ原SS)が、銅メダルを獲得した。
すばらしいレースだった。先行タイプのロクテ、フェルプス、レクロスが最初のバタフライで飛び出した。ここで萩野は動揺することなく、100メートルの入りを速めた。彼は背泳ぎが得意だが、最初のバタフライで置いていかれると厳しい展開になる。そこで離されず、持ち味の背泳ぎで前に追いついた。苦手だったバタフライを強化し、得意の背泳ぎを生かせるようになった。ここが「勝因」だった。
弱点だった平泳ぎも世界レベルの1分11秒台にまで改善したことで、最後のクロール勝負に持ち込めた。フェルプスの調子は悪かったが、勝利は彼の勢いがあってのこと。17歳で初めての五輪とは思えないレースだった。
4年前の北京五輪でロクテは4分8秒09の記録で銅メダル。そのロクテがこの4年間でここまで強くなっている。伸びしろを考えれば、萩野にも世界の競泳界をリードする存在になる可能性は十分にある。そのためには、北島が築いてきたアグレッシブな姿勢で、自己記録の更新にどんどん挑んでいってほしい。