立石と北島、コース巡り合わせの妙
<ロンドン五輪:競泳>◇1日(日本時間2日)◇男子200メートル平泳ぎ決勝
北島は自分のレースを貫き、いい泳ぎをした。記録が足らなかったが、最後まで期待を持たせてくれる内容だった。前半50メートルのストロークは14回。持ち前の大きな泳ぎで、5位と敗れた100メートルからうまく立て直していた。昨年の世界選手権の経験があってのことだと思う。逆にラスト50メートルは33秒88かかっている。ここを33秒台前半でまとめていれば、メダルはつかめた。
今回はジュルタの力が抜けていたが、北島も4月の日本選手権当時の状態に戻せばチャンスがあった。ジュルタは予想通りだが、ジェーミソンの2着は予想外だった。ラスト50メートルは唯一の32秒台。最後は勢いのある選手が上位に入った印象だ。
立石は準決勝からよく立て直した。準決勝は同じ組に速い選手がおらず、自分でレースを引っ張る展開になった。そのためラスト50メートルで伸びなかった。だが、今回の決勝は運命にも、北島が隣のコース。レースパターンを知り尽くす北島をペースメーカーにつけ、いい位置で落ち着いて前を追うことができた。それが最後の逆転劇につながった。計算してあのコースにはなれない。これも不思議な巡り合わせでしょう。