「世話になった」京都のため村田国体で凱旋
清水(左)に頭をなでられる村田(共同)
ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級金メダリストの村田諒太(26=東洋大職)が、7人の金メダリスト一番乗りで凱旋(がいせん)試合に出場する。15日、都内でアマチュアボクシング連盟(JABF)が開いた会見に、同バンタム級銅メダリストの清水聡(26)と出席。「国体予選に京都代表で出ます。京都には10年以上お世話になっている。当然の義務です」と意思をみせた。
国体近畿ブロック予選会のことで、今月24日から26日まで和歌山県で開催される。5府県中3府県が本戦出場を得る。各県の各階級代表者の成績で、予選突破が決まる。高校時代を過ごした京都代表の村田が出場するミドル級は、3人前後のトーナメントになる予定。国内では04年国体以来無敗だが、「金メダルをとったし、負けられないじゃないですか~。結構プレッシャーですよ」と苦笑いした。
会場は和歌山県立体育館の補助体育館で、観客定員は250人で入場無料。64年東京五輪の故桜井孝雄さん以来48年ぶりにボクシングの金メダルを持ち帰った男の試合だけに、満員御礼が濃厚だ。村田も「普及につながれば幸いです。ぜひぜひ来てください」とアピールした。
報奨金は日本オリンピック委員会から300万円と、JABFからも100万円が支給されるが、「嫁の通帳に押収されます。僕は暗証番号も知らないんですよ」と笑う。契約金1億円以上の価値があるとしてプロからの熱視線も浴びるが、「いまのところは考えてません。これまでの感謝を表すのに、どういう道がベストなのか考えたい」と慎重に話した。【阿部健吾】