松田メダル1号逃した/射撃
<ロンドン五輪:射撃>◇28日◇男子10メートルエアピストル予選
最後の1発を撃ち終えると顔をしかめ、悔しさをあらわにした。射撃男子エアピストルで「メダル1号」を目標に掲げたエース松田知幸(36=神奈川県警)は序盤の第2シリーズで94点と伸び悩んだのが響き、上位8人の決勝進出ラインまであと2点届かなかった。「自分の努力が足りなかった」と潔く受け入れた。
10メートル先にある直径11・5ミリの10点圏に照準を定め、極限の集中力で制限時間内に60発を撃つ持久戦。2年前の世界選手権で50メートルピストルと合わせて2冠を果たしたが「世界各国の層が厚くなり、1点のミスが命取りになる」と厳しい戦いは覚悟していた。「理想の撃ち方を追求しすぎて力が入った」と反省する。脳波の測定や心理学を学び「最後の1発まで諦めない」と挑んだが、同じく予選で敗退した北京五輪の雪辱はならなかった。
神奈川・横浜商大高時代はバレーボール部のセッターだった。父の背中を追って神奈川県警に入り、この10年で「体格差がハンディにならない」射撃にのめり込んだ。
最新の世界ランキングは50メートルピストルが2位で、エアピストルは16位。「世界選手権と五輪で2冠」の夢は消えたが、8月5日に行われる得意の50メートルピストルへ「自己ベストでメダルを狙う」と巻き返しを誓った。