愛&佳純&早矢香が銀/卓球
第4ゲーム、ポイントを奪われ、顔をしかめる福原(撮影・田崎高広)
<ロンドン五輪:卓球>◇7日(日本時間8日)◇女子団体決勝
世界2位の日本は同1位の中国に0-3で敗れ、銀メダルとなった。第1試合で福原愛(23=ANA)は、シングルス金メダルの李暁霞から1ゲームを奪ったが、1-3で敗戦。続く石川佳純(19=全農)、ダブルスの石川、平野早矢香(27=ミキハウス)組も連敗した。女王のカベは厚かったが、全力でぶつかり銀メダルを獲得した。
五輪なら初、世界選手権を含めても71年名古屋大会以来となる世界一を懸けての戦いだった。第1試合で、福原はみせた。シングルス金メダルの李暁霞のパワーに、打点の早さで対抗した。第2ゲームは、5-9から6連続得点。バックの攻撃的なレシーブでエースを決め、追いついた。結局1-3で落としたが、チームを勇気づけた。
続く石川は、世界ランク1位の丁寧に0-3で敗れた。ダブルスの石川、平野組は1ゲームを奪ったが、勝利にはつなげられなかった。敗れた瞬間、福原のロンドン五輪が終わった。
特別な相手だった。福原は5歳の時、初めて中国・北京に渡った。以来、100回以上も足を踏み入れてきた卓球王国。「中国を1周するのは、世界1周するより難しいと言われるんです」。田舎に行けば行くほど盛り上がる卓球文化を肌で感じ、奥深さに圧倒された。いつか世界の大舞台で対戦したい-。決勝は夢の舞台だった。
シングルスは自己最高の8強入りを果たした。「メダルを取りたいという気持ちがさらに強くなった」と話して、団体戦に挑んだ。1回戦は米国に力の違いを示し、準々決勝のドイツ戦も苦手なタイプの相手を退けた。シンガポールとの準決勝では、エース対決を制して、日本卓球史上初の五輪メダルを引き寄せた。
準決勝から中1日。既に戦い終えた男子の丹羽孝希、松平賢二らが練習相手を買って出てくれた。女子代表の「男子化」を図って強化してきた中国対策になった。福原らは男子の強力なドライブを何度も打ち返し、回転量の多さに体を慣れさせた。日本が一丸となって臨んだ決勝だった。
初のメダルは獲得した。次は打倒中国。意義ある結果を残し、日本卓球界の未来に明るい光をともした。