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  1. 陸上

マラソンコース解説

観光スポット巡る周回コース

<女子=8月5日、男子=12日>

 ロンドン五輪のマラソンは、女子が8月5日午前11時(日本時間午後7時)、男子が8月12日午前11時(同)に号砲。ロンドン市内中心部の周回コースで、バッキンガム宮殿前をスタート。まずセントジェームス公園を挟むように1周(2.2マイル=3.541キロ)し、再びバッキンガム宮殿へ戻る。そこから今度はロンドン塔を折り返し地点とするコース(8マイル=12.875キロ)を3周(24マイル=38.625キロ)する。毎年4月のロンドンマラソンは、市内南東部グリニッジからバッキンガム宮殿を結ぶもので、五輪コースとは全くの別コース。

マラソンコース図

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ギャラリー

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まるで障害物競走!佐藤記者が走ってみた

日刊スポーツ陸上担当・佐藤隆志記者

 日刊スポーツ陸上担当・佐藤隆志記者(43)が今年1月にマラソンコースを試走した。市内中心部の観光スポットをめぐる周回コース(1周8マイル=12・875キロ)をぐるり1周。途中、迷路のような路地裏に突入するなど、従来の五輪マラソンのイメージを覆す斬新なルートを詳しく紹介する。

S字コーナー、スピードバンパー、幅5m路地…デコボコ石畳は雨ならツルツル

 40歳を過ぎたオッサンだが、中学時代にマラソン大会に優勝し、トロフィーをもらったことがある。かつての健脚を思い出し、21日、地図片手にロンドンコースに挑んだ。

 バッキンガム宮殿前のマルから1周8マイル(12・875キロ)のルート。リュックを背負い、観光気分でゆっくりスタートした。約1キロの直線が続く。路面が赤い。バッキンガム宮殿前とあって、レッドカーペットを模してのもの。アドミラルティ門を抜け、トラファルガー広場へ。英雄ネルソン提督の像を見ながら右へ折れ、テムズ川にぶつかった。風を感じ「気持ちええわ〜」。車道は広く、平たんで走りやすそうだ。

 ブラックフライアーズ・ブリッジをくぐると緩やかな坂道を左へ登り、街中へ展開。ここからコース状況は一変した。クイーンビクトリア通りを入り、セントポール大聖堂周辺は歩行者の数も多く、車のスピードを規制するさまざまな「障害」があった。車道を狭めたS字通路、T字道路手前には路面を盛り上げたスピードバンパーが登場。足元への不安が頭をよぎる。さらに思わぬ迷路が待ち構えていた。

 セントポール大聖堂の北側は、小道だらけ。キングエドワード通りから「リトルブリテイン通り」を見失った。足が止まり、あっちへこっちへウロウロ。少し戻ったところに道幅7メートルの裏通りが…。「リトル」の名前通り、小さい。「これが五輪コース?」。おかしくて笑った(後日、このリトルブリテイン通りは回避されていた…)。

 続くギルドホール前。コース図に沿って走ると、道幅5メートルの路地裏に「どうやって、こんなとこ走るの?」。さらに「リーデンホール・マーケット」に入る。そこはアーケードを備えたモールだった。道幅7メートルほどの両脇に商店が並び、レンガ風石畳が敷き詰められた路面は硬くてボコボコ。逃げる選手、それを追う選手。街角の鬼ごっこのようなスリリングな光景が思い浮かんだ。

 折り返し地点はロンドン塔だ。かつて牢獄(ろうごく)だった場所で、背後にはロンドンを象徴するタワーブリッジがそびえる。ここからバッキンガム宮殿を目指す。見落とせないのが大火記念塔前の上り坂。距離は150メートルほどだが、平たんなルートが多い中で唯一の急勾配。しかも路面は石畳でぼこぼこし、登り切ったところにスピードバンパーあり。ここをもって「障害物」から解放された。

 再び走りやすいテムズ川沿いへ。心地よい風に吹かれながら、対岸にはロンドン・アイの姿が見える。そして壮大なビッグベンを見上げながら右折。セントジェームス公園脇の直線を走る。5つの信号部分にはスピードバンパーが設置され、場所によっては段差が大きいものもある。3周目の終盤(40キロすぎ)となれば、思わぬ足かせとなりかねない。公園に沿って右折し、バッキンガム宮殿前へゴールした。

 走り終えた感想は「遊び心にあふれるコース」だ。観光スポットはもちろん、迷路や路地裏の追い駆けっこを楽しめるかどうか。この日の天気は、晴れから小雨まで目まぐるしく変わった。雨にぬれれば石畳の路面は滑りやすく、転倒の危険性もはらむ。従来のマラソンのイメージを覆す「障害物競走」。強さより、適応性が求められそうだ。(2012年1月27日付紙面より)

ロンドン取材協力 英国政府観光庁。ホームページは www.visitbritain.com

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