内村に負担かかりすぎ
<ロンドン五輪:体操>◇7月30日◇男子団体総合決勝
限りなく4位に近い銀メダルだと感じた。最後は内村の弱い部分が出てしまったのかもしれない。昨年の世界選手権の団体決勝でも同じことがあった。鉄棒で田中佑が落ち、逆転が不可能になった時点で、内村は集中力が切れて落下。この日も、あん馬最初の田中和が落下した時点で集中が落ちたのだろう。
予選から2日間、内村には信じられないミスが出ている。しかし、それも致し方ないことだ。内村1人に負荷がかかりすぎて、限界を超えたのだと思う。他の選手のミスをカバーするのも内村1人で、内村の出来が日本の流れを左右することが多い。予選も内村が踏ん張らなければ、決勝進出も逃していたと思う。
日本が金メダルに返り咲くには、内村以外にも軸になる選手をつくるしかない。今回、鉄棒と床運動の専門家として選ばれたはずの田中佑、加藤も、結局はその種目で内村を超えられないのだ。すべてが内村頼みでは、耐えられない。
ロンドンが終わってすぐにリオに向けての対策が必要だ。選手選考も、オールラウンダー重視から、種目別の本当のスペシャリストをもう1度、見直す時期にきているかもしれない。1種目でも内村を超える選手が現れれば、負担は減る。その時、初めて日本の復活ののろしが上がるはずだ。