内村の強い思いに他が追いついていない
まず男子の団体総合は中国の強さが際だった。予選ではミスが出たものの、大事な決勝をノーミスで終えたのはすごい。日本は内村の団体への強い思いに、ほかの4人が気持ちで追いついていない部分を感じた。内村は前回の北京で銀で悔しさを味わっている。だから「銀でも4位でも同じ」という言葉になったが、初出場の他の4人は、銀メダルに、どこかにうれしさを感じたのではないか。
個人総合の内村は敵なしの感じだった。日本の内村が、世界の内村になった五輪だったと思う。現役続行を決めているが、4年後の五輪も内村の優位は崩れない。体操には種目別もある。内村に勝つために、外国勢がわざわざメダル1個のために苦手種目を克服するとは思えない。
日本女子と世界のトップとの差は大きいと感じた。米国、ロシア、中国、ルーマニアの4強を見ていると、日本がメダル争いに加われるのは、ずっと先のような気がする。厳しいようだが、日本が目指す「美しさ」も、レベルが違うところでは、それほど意味を成さないのではないだろうか。