見習うべきだ 松本の闘志と中矢の精神
<ロンドン五輪:柔道>◇7月30日
松本が日本の柔道を救ってくれた。技は切れる方ではない。寝技は得意だが、上位の争いになればそうそう決まらない。だが、体力は尽きないし、何よりあふれんばかりの闘志につきる。畳に向かうまでの目つき、礼をしてから飛び出ていく姿。柔道は格闘技だ。「技」や「体」も必要だが、何より戦う「心」がなければいけない。松本は心だけですべてを補っていた。今の男子、特に100キロ超級の上川は見習ってほしい。
中矢も、負けたが見応えのある良い試合だった。負傷していてもおくびにも出さず、日本柔道の精神を見せてくれた。有効にならなかった中盤の背負い投げは、相手がきっちり受け止めたとみなされる間があった。日本にはつらいが、ビデオ確認し、そう取られたのだろう。それでもよくやったと言える。この悔しさを持ってこれからもやってほしい。こういう選手が出てくれば、全体が伸びる。