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柔道評論・細川伸二

日本柔道惨敗の理由

 今大会の柔道の全日程が3日で終了した。男子は五輪史上初めて金メダルゼロに終わり、女子も量産が期待された金メダルが1個という惨敗だった。メダル総数は金1、銀3、銅3で、男女14階級となった92年以降で過去最少だった前回と並ぶ7だった。84年ロサンゼルス五輪60キロ級金メダリストの細川伸二氏(52)は精神面の弱さ、技術力の低さを指摘した。

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 史上最悪の結果だった。88年ソウル五輪の不振は私も1つの原因だった。私が初日に金メダルを取れなかったことを思い出して、寂しい思いがした。日本男子の日が沈んでしまった。

 日本人が一番ダメなところは、最初がダメだとダメなままで終わることだ。「初日が大事」というのは日本人くらいだろう。私が知っている100キロ級の穴井は特にそう。誰かが金メダルを取っていたら気楽に行けたはずだ。だが、きまじめなところがある。自分が金を取らないかん、恩師でもある篠原のためにもと考え、硬直した試合になる。穴井と100キロ超級の上川は自分の力を出し切らないまま、終わってしまった。

 今の選手にはたくましさがない。何から何まで試合に集中できるようサポートしてもらえるため、自立できていない。畳に上がれば自分1人。土壇場で何もサポートはない。(60キロ級五輪3連覇の)野村なんか、コーチをした私をまったく見なかった。自分で勝手に戦い、勝っていった。

 今の日本柔道は体力をつけようとしているが、体力よりも根本的に技術が足りない。寝技で抑え込まれること自体、体力でもなんでもない。穴井も上川も技術で負けている。中矢が右腕を痛めた腕ひしぎ十字固めも技術があれば防げた。外国人はうまくなっている。日本人には、すかしたりいなしたり、手首をうまく使ったりする技術が見られなかった。基本に戻り、徹底していかないといけない。

 北京五輪以降、初めてランキング制度が導入され、コーチも選手もどこまでポイントを取れば良いか分からず、ほとんどの国際大会に出してきた。選手はロンドンに来る前から疲れていた。これらの課題を見直さなければ、16年のリオ五輪も同じことの繰り返しだ。

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柔道評論・細川伸二

ソウル五輪銅メダリスト、全柔連男子強化委員の細川伸二氏が五輪柔道を評します。

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