福見5位「一生悔いが残る試合」/柔道
柔道女子48キロ級3位決定戦で一本負けを喫した福見(撮影・たえ見朱実)
<ロンドン五輪:柔道>◇28日◇女子48キロ級
胸の中の思いを言葉に表すことが難しかった。柔道女子48キロ級の福見友子(27=了徳寺学園職)は涙目だった。準決勝で敗れ、3位決定戦も敗北。5位に終わり「何が足りなかったのか…。金メダルを取れなかったのが悔しい。これが五輪だと思う」と、大きくため息をつきながら、声を絞り出した。初めての五輪で、金メダル候補が栄冠を手にすることはできなかった。
準々決勝まで、硬さは目立つもすきは見せなかった。調子も良かった。だが、迎えた準決勝。相手は北京五輪で谷亮子を破ったドゥミトル(ルーマニア)。開始早々に指導を取られると、安易に大外刈りを掛けにいったところを返された。この技ありを最後まで取り返せず、気持ちが切れた3位決定戦も延長で一本負け。メダルも逃した。「必ずメダルを取って帰ると、気持ちを切り替えて臨んだんですが…」。女子の園田隆二監督は「一発勝負の怖さが出た。ただ、本人がやってきたことをみれば、恥じることなく胸を張っていい」とかばい、慰めていた。
柔道人生で2度も谷を破りながら、出られなかった夢の舞台。やっと立てたはずだったが「一生悔いが残る試合だと思う」と、苦い経験となってしまった。