中矢は銀…男子金1号ならず/柔道

銀メダルを手に笑顔の中矢(撮影・PNP)
<ロンドン五輪:柔道>◇30日◇男子73キロ級決勝
中矢力(23=ALSOK)がマンスール・イサエフ(ロシア)に敗れ、銀メダルに終わった。柔道男子の今大会初となる金メダルはまたも持ち越しとなった。
開始1分30秒過ぎ、ケガを抱える右肘を決められた。何とか外したものの、気にするそぶりを見せた。その後も気迫で攻めたが、3分30秒過ぎに相手に返し技から有効を奪われ、これが決勝ポイントに。残り30秒で押さえ込みのチャンスも、外されてポイントを奪えなかった。
自身の試合直前に日本金メダル1号となった女子57キロ級、松本薫に続けなかった。試合後「日本の代表として金を取らないと、という気持ちだったが、相手の方がそういう気持ちが上だったのでは。まだまだ甘いということが分かった」と悔しがった。
これで男子は60キロ級銀の平岡拓晃、66キロ級銅の海老沼匡と、いまだ金メダルなし。「金メダルを持って帰ると掲げていたので、この色はあまりうれしくないけど…。反省して、次に生かせるようにしたい」と、悔しさを今後の糧にする。
◆中矢力(なかや・りき)1989年(平成元)7月25日、愛媛出身。新田―東海大。11年世界選手権で金メダルを獲得。「寝技の世界選手権があれば優勝する自信がある」と豪語するほど寝技を得意とする。名前の「力」は長州力が由来。168センチ、73キロ。