上野 姉妹で取った銅メダル/柔道

銅メダルを手に笑顔の上野(撮影・たえ見朱実)
<ロンドン五輪:柔道>◇31日◇女子63キロ級
3姉妹の次女が、泥臭く銅メダルをつかんだ。女子63キロ級の上野順恵(29=三井住友海上)は表彰式で晴れやかな表情で銅メダルを受け取り「五輪初出場で緊張もあったけど、最後はスッキリ終われて良かった」と笑顔を見せた。
初戦から硬く、2回戦では延長までもつれた。続く準々決勝の丁ダウン(韓国)戦では厳しい組み手に苦しみ、何もさせてもらえない。指導2つを受け、さらに有効も奪われ、金メダルへの道が断たれた。ぼうぜんとするしかなかった。
この敗戦からショックを振り払ってくれたのが、アテネ、北京両五輪70キロ級金メダリストの姉雅恵さんだった。「メダルを取るのと取らないのとでは、全然違う。強気で頑張れ!」。もう1度、闘争心を注入してくれた。
一本こそ取れなかったが、敗者復活からしぶとく勝ち抜いた。「負けてしまってからの立て直しに、今までの練習の成果が出てきたと思う。一本より、自分らしく行こうと」。日本初の姉妹金メダルこそならなかったが、付け人を務めてくれた妹巴恵も含む3人で取った、価値ある銅メダルだった。