日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムです。



コラム Nikkan Olympic Column
五輪ヒーロー・ヒロイン列伝 五輪コラム

五輪ヒーロー・ヒロイン列伝

 ロンドン五輪では日本選手への期待はもちろん、大舞台で新たなヒーロー、ヒロインの登場も楽しみなところ。あなたの記憶に今も残る、偉大なアス リートたちをプレーバックする。

記録に技に名を残す/ビタリー・シェルボ

<ビタリー・シェルボ(ベラルーシ=体操男子)>

 スポーツバラエティー番組「スポーツマンNO・1決定戦」で、モンスターボックスと呼ばれる巨大跳び箱に挑んだ。95年に20段(2メートル76センチ)、97年に22段(2メートル96センチ)を記録。当時、テレビ局のロビーに置かれた跳び箱は、とても「跳び越えられる」代物ではなかった。

 92年バルセロナ大会で、圧倒的な強さをみせた。男子団体総合、個人総合、あん馬、つり輪、跳馬、平行棒の金6個。体操では1大会最多記録となる。とにかく正確。しっかり伸びた手足、姿勢に乱れがない。「どの部分を切り取って見ても美しい」といわれた。この大会では分裂したソ連が独立国家共同体(EUN)として参加。表彰式の国旗は各国のものが掲揚され、個人総合ではEUNが3位まで独占し、ベラルーシ、ウクライナ、アゼルバイジャンの国旗が揚がった。

 94年に肩の手術を受け、96年アトランタ大会では鉄棒、平行棒、跳馬、個人総合で銅メダル4個と精彩を欠いた。跳馬には今も「シェルボ」「シェルボ2」と、自身の名前がつく技が残る。04年アテネ五輪の日本団体金メンバーの冨田、鹿島の目標は「シェルボ」だった。「体操ニッポン」復活を生んだ人なのかもしれない。

 [2012年8月1日14時12分]



最新ニュース

記事一覧

[an error occurred while processing this directive] [an error occurred while processing this directive]