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コラム Nikkan Olympic Column
五輪ヒーロー・ヒロイン列伝 五輪コラム

五輪ヒーロー・ヒロイン列伝

 ロンドン五輪では日本選手への期待はもちろん、大舞台で新たなヒーロー、ヒロインの登場も楽しみなところ。あなたの記憶に今も残る、偉大なアス リートたちをプレーバックする。

身長130センチのヘラクレス

<ネイム・スレイマノグル(トルコ=重量挙げ男子)>

 あなたは自分3人分を持ち上げることは出来るだろうか。人間の限界であるといわれる体重の3倍を持ち上げて、五輪3連覇の偉業を果たしたトルコの英雄「ポケット・ヘラクレス」がいる。

 88年ソウル大会、男子60キロ級でジャークで体重の3・17倍、190キロを差し上げる世界新で金メダル。1度引退したが、92年バルセロナ大会で復帰、同じ60キロ級で連覇を果たした。圧巻は64キロ級に29歳で出場した96年アトランタ大会だった。ライバルはレオニダス(ギリシャ)。スナッチで2・5キロ差でリードしたが、同級のジャーク世界新の187・5キロをレオニダスが先に上げ、後がなくなった3回目、スレイマノグルは同じ重量を差し上げ、史上初の重量挙げ五輪3連覇を成し遂げた。ジャークの記録は体重の2・93倍だった。

 トルコ系としてブルガリアで生まれた。名前も「シャラマノフ」と改名させられるなど同化策に反発し、86年にトルコに亡命。トルコ風のスレイマノグルに改名した。00年シドニー大会ではスナッチで145キロを3回失敗し、4大会連続はならなかったが、身長150センチの小さな巨人は、五輪史に大きな足跡を残した。

 [2012年8月8日12時53分]



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