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 社会部事件担当の石井康夫記者が英国社会の深層に迫る。五輪会場の内外に目を向け、現地住民の反応から、ホスト国の社会問題を多角的に取り上げる。

英国で今日ほど「日本」感じたことない

スタンドから声援を送る日米のサポーターら(撮影・石井康夫)
スタンドから声援を送る日米のサポーターら(撮影・石井康夫)

 女子サッカー決勝戦が行われたウェンブリー競技場には、現地英国に暮らす日本人が集結し、なでしこに声援を送った。スタンドのあちこちで日の丸の旗が振られ「ロンドンでこれほど日本人が集まるのは初めてではないか」と驚く人もいた。

 試合終了のホイッスルが鳴ると優勝した「USA」コールに負けないほどの「ニッポン」コールが沸き起こった。ロンドンの大学に留学中の納村侑子さん(24)は「負けたのは残念だけど、大きなアメリカの選手に食らいつくなでしこを見ていて涙が出た」と感動していた。

 開始3時間前から、駅からスタジアムに向かう道には、現地英国で暮らす日本人の姿が多く見られた。ロンドン在住18年の会社員渡辺英人さん(41)は「英国で今日ほど『日本』を感じたことはない。ロンドン中の日本人が集まったみたい」。

 「来られない日本の人たちの分も私たちが応援しないと」と英南部レディング在住のチキン陽子さん(29)は夫マイケルさんと、日の丸のはちまきをつけて応援した。オックスフォード大大学院に留学中の伊藤久美さん(52)も「表彰台の選手たちの笑顔がすてきでした。本当にありがとう」と感激していた。

 母国のアスリートの活躍で、その国に住む在留邦人がこれだけ勇気づけられる。それも五輪の光だ。昨年のドイツW杯では、なでしこは鮮烈な印象を残して世界を驚かせた。今回の五輪でも、ひたむきなプレーで、さわやかな印象を定着させた。負けたけれど、スタジアムを去る日本人の顔は晴れやかに見えた。

 [2012年8月11日8時34分 紙面から]





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