シリア市民「五輪なんてふざけている」

　全土で内戦状態が続くシリアは、競泳やボクシングなど計１０人の代表選手を送り込んだ。しかし、生きるか死ぬかの毎日を送る多くの市民に、華々しく開幕したスポーツの祭典を気に掛ける余裕はない。

　比較的治安が安定している首都ダマスカス中心部のカフェやレストランは２７日、イスラム教のラマダン（断食月）中でもあり大半が閉店。男性会社員（２４）は「国が困難の海に沈み込んでいるときに五輪なんてふざけている」とまくしたてた。

　エンジニアのサイード・アリさん（３７）も「全選手の幸運を願うけど、われわれシリア人の幸運も願ってほしいね」とため息をついた。

　［2012年7月28日8時12分］