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 社会部事件担当の石井康夫記者が英国社会の深層に迫る。五輪会場の内外に目を向け、現地住民の反応から、ホスト国の社会問題を多角的に取り上げる。

ピッチ形「なでしこ焼き」登場

なでしこ焼き(手前)と五輪焼き
なでしこ焼き(手前)と五輪焼き

 ロンドン中心部にある英国唯一のお好み焼き専門店「あべの」に今日10日、ピッチに咲くなでしこをイメージした限定メニュー「なでしこ焼き」が登場する。10日未明に決勝戦を戦うサッカー女子代表の快進撃をたたえるため、おかみの中谷英里世(えりーぜ)さん(49)が考案した。

 こだわりの生地で四角いピッチを表現し、芝生は青のり。マヨネーズでラインを描き、フライドガーリックは選手たち。まわりにはかつお節でサポーターを作り、最後の仕上げはなでしこの花…。「あべの」の新メニューは「なでしこ焼き」と名付けられた。なでしこジャパンの快進撃を受けて考案されたもので、大英博物館そばの本店で、決勝戦翌日の10日と11日の2日間、期間限定メニューとして提供する。肉や野菜がたっぷり入って値段は18・95ポンド(約2300円)。

 同店は、大阪に3年間留学し、「本場」でお好み焼き修業もしたオーナーのジョナサン・ブラウンさん(50)と、妻で大阪出身の中谷さんが93年に開業した。以来、英国で唯一の専門店として、日本人駐在員らの間では有名な存在。「日本と同じ味が食べられる」と地元ロンドン市民、欧州からの観光客にも人気だ。

 五輪開幕日から、オリンピック特別メニューも提供中。目玉は陸上トラックをイメージした楕円(だえん)形の生地に、トマト、タマネギ、たくあんで5つの輪を表現した「五輪焼き」で、9日までに60食以上が出る人気という。

 スタッフは日本人が多いため、最近の話題はなでしこ一色。中には店を休んで、決勝を見にいくスタッフもいる。おかみの中谷さんは「なでしこの活躍は英国で暮らす日本人にも元気をくれた。ひとつの道を究めるため、どれだけの涙と努力があったのかと思うと、同じ日本人女性として感慨深い」と話す。そして「試合が終わった後は、ぜひサポーターの方々に来ていただいて、なでしこ焼きを前に話を弾ませてほしい」と期待していた。

 [2012年8月10日7時58分 紙面から]



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