柔道と競泳…対照的なスタート
競泳の男子400メートル個人メドレーで萩野公介が銅メダルを獲得した。予選の日本記録更新で期待はあったけれど、予想以上の泳ぎだった。それぞれ得意な泳法が異なる個人メドレーは駆け引きが難しい種目。ライバルの泳ぎに引っ張られず、自分のペースを守る。五輪初出場の17歳に、それができたのがすばらしい。
フレッシュな選手の登場は、チームを活気づける。平井ヘッドコーチは「若手とベテランがいてこそ、いいチームができる」と話していた。「チーム」を重視する競泳陣。ベテランが引っ張るだけだと「あの人は特別」になりかねない。若手が努力すれば、他の選手も頑張らざるをえない。平井コーチの「若くて頑張るやつが必要」は、チームのバランスを考えてだろう。
「世代を超えたインスピレーション」が、今大会のスローガン。世代を受け継いで歴史を紡ぐ大切さをいっている。ところが、近年の日本は「世代交代」で苦しむパターンが多い。トレーニング法の進歩や環境の変化で、競技寿命は飛躍的に伸びた。20年前の競泳は「男子は大学生、女子は高校生」。かつては「大学を卒業したら競泳は終わり」と言われたが、今の成長期は卒業してから訪れる。競泳だけでなく、どの競技も同じような傾向にある。
前回の北京大会は、金メダル9個のうちソフトボールと柔道100キロ超級の石井を除く7個が連覇。アテネ大会のVTRを見るようだった。連覇そのものはすばらしいが、若手が出てこなかったのは問題だった。今大会の柔道は、初出場が12人。決してバランスがいい布陣とは思えない。
経験の少ないチームは勢いに乗れば力を発揮する。しかし、1度崩れると立ち直るのが難しい。勢いをつける若手と、崩れた時に修正できるベテランがいてこそ、チームの力は盤石。継続的に好成績を残すには、そのバランスが必要だ。3大会ぶりに初日にメダルを獲得した競泳、逆に2大会連続で初日に金メダルを逃した柔道。まだ大会は始まったばかりだが、メダル量産が期待される2競技は対照的なスタートを切った。【編集委員・荻島弘一】
[2012年7月30日7時3分 紙面から]
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