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コラム Nikkan Olympic Column
ロンドンの風~記者コラム~ 五輪コラム ロンドンの風~記者コラム~

 現地派遣記者による日替わりコラム。一風変わった観客、記者席で絶叫する外国人記者、選手の家族など、取材でのこぼれ話を中心にお届けします。

4「聖地」クリア

 ロンドンの風を感じている。熱戦が続く各会場へは、地下鉄やバスを駆使して足を運ぶ。さすが近代スポーツ発祥の地と呼ばれる英国だ。おかげさまで既に4つの「聖地」へ行くことができた。テニスのウィンブルドンにバドミントンのウェンブリー・アリーナ、隣にはサッカーのウェンブリー・スタジアムがあった。アーチェリーの会場は、「クリケットの聖地」ローズ・クリケット場だった。

 そのローズ・クリケット場の近くが渋滞していた。なぜここだけが? そこは、あのビートルズが69年に発売したレコード「アビー・ロード」のジャケット写真で有名な横断歩道だった。全世界から人が集まり、同じポーズで記念撮影する。途中で来た車やバスは、止まってくれる。撮影終わりまで待ち、時には運転手がVサインを出していた。心が温まった気がした。

 競泳担当の佐藤キャップ、体操の吉松先輩、柔道の今村の各記者は主に室内競技場で1日を過ごしている。ほんの少しだけ申し訳ないですね~と思い、提案した。「僕らも4人だし写真撮りましょう。佐藤さんがジョンの位置で、吉松さんがポールのところに立って…」。即座に吉松先輩に「いやだ」と却下された。8年後、東京で五輪が開催されるかもしれない。日本人にとってさりげない日常も、きっと外国人は興味持って見ることになる。【近間康隆】

 [2012年8月5日9時53分 紙面から]



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