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コラム Nikkan Olympic Column
ロンドンの風~記者コラム~ 五輪コラム ロンドンの風~記者コラム~

 現地派遣記者による日替わりコラム。一風変わった観客、記者席で絶叫する外国人記者、選手の家族など、取材でのこぼれ話を中心にお届けします。

「出し切った」を共有

 競技者じゃないのに、選手の気持ちを、少しだけ分かったような気がする。担当の体操が終了した7日のことだ。ロンドンに向けた3~4年を思いだし、100%の出来とは言えないが(すみません、デスク)、やれることはやったという気持ちになった。

 選手はよく「今の持てる力は出し切った」と言う。そこに、順位や得点は関係ない。うがった見方をすれば、弁明のようにも聞こえる。しかし、選手だけでなく、記者らを含む報道陣、関係者全員が、その思いを共有するためにやってきたのだと感じた。これこそ、ロンドンの風なのだと思う。

 ロンドン五輪が幕を下ろした。英語は難しいが、北京五輪の中国語、ソチ五輪のロシア語よりは分かる。たえ見カメラマンの「アイシー」「アイシー」で十分だ。初めての外国は米国で21歳の時だった。他人なのに「ハロー」「おはよう」と声をかけられ戸惑った。しかし、今回、疲れた体には、ボランティアのその声が心地よく響く。

 今大会、最大の貢献は好天だった。大会前は低温、小雨という典型的なロンドンの天気。しかし、開幕したら、気温は上がり、雨は数えるほどしかなかった。天の恵みも、まさにロンドンの風。日本には便利な言葉がある。「終わりよければすべてよし」。いやー、終わった、終わった。ラーメン食べたい。数日後には「日本の風」に吹かれる日が来る。読者の方々を含む多くの人に感謝。【吉松忠弘】

 [2012年8月13日9時23分 紙面から]



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