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コラム Nikkan Olympic Column
柔道評論・細川伸二 五輪コラム 柔道評論・細川伸二

 ◆細川伸二(ほそかわ・しんじ)1960年(昭35)1月2日、兵庫県生まれ。天理高、天理大。天理大助教授、全柔連男子強化委員。得意の背負い 投げで84年ロス五輪60キロ級優勝、85年世界選手権優勝、88年ソウル五輪銅メダル。

見習うべきだ 松本の闘志と中矢の精神

<ロンドン五輪:柔道>◇7月30日

 松本が日本の柔道を救ってくれた。技は切れる方ではない。寝技は得意だが、上位の争いになればそうそう決まらない。だが、体力は尽きないし、何よりあふれんばかりの闘志につきる。畳に向かうまでの目つき、礼をしてから飛び出ていく姿。柔道は格闘技だ。「技」や「体」も必要だが、何より戦う「心」がなければいけない。松本は心だけですべてを補っていた。今の男子、特に100キロ超級の上川は見習ってほしい。

 中矢も、負けたが見応えのある良い試合だった。負傷していてもおくびにも出さず、日本柔道の精神を見せてくれた。有効にならなかった中盤の背負い投げは、相手がきっちり受け止めたとみなされる間があった。日本にはつらいが、ビデオ確認し、そう取られたのだろう。それでもよくやったと言える。この悔しさを持ってこれからもやってほしい。こういう選手が出てくれば、全体が伸びる。

 [2012年8月1日10時0分 紙面から]



五輪柔道コラム

Nikkan Olympic Judo Columns
柔道評論・細川伸二

柔道評論・細川伸二

ソウル五輪銅メダリスト、全柔連男子強化委員の細川伸二氏が五輪柔道を評します。

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