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日本追い風メダル見えた/バレー

中国をフルセットの末に破り、歓喜する日本チーム(撮影・PNP)
中国をフルセットの末に破り、歓喜する日本チーム(撮影・PNP)

<ロンドン五輪・バレーボール:日本3-2中国>◇7日◇女子準々決勝

 「火の鳥ニッポン」にメダルの風が吹いた。世界ランク5位の日本は同3位中国を破って88年ソウル大会以来24年ぶりの4強進出を決めた。日本女子が五輪で中国に勝ったのは6試合目で初めて。苦手のロシアやイタリアが敗退し、メダルの道も見えてきた。今日9日(日本時間10日)の準決勝では、銅メダルだった84年ロサンゼルス大会以来28年ぶりの表彰台を懸けてブラジルと激突する。

 ロンドンの追い風が吹いてきた。日本の激闘から3時間後。世界ランク2位のブラジルが、フルセットの末に同9位ロシアを下した。日本は、身長202センチの「白い巨塔」ガモアが引っ張るロシアが苦手。3日の1次リーグでも1-3で負けたばかりだった。チーム首脳は「高さのロシアより、速さのブラジルの方がやりやすい」と明かした。

 ブラジルも世界トップクラスの強豪だ。しかし、今大会は調子がいまひとつ。1次リーグでは韓国にストレート負けするなど、B組を4位でギリギリ通過した。高さはロシアほどなく、日本も昨年11月のW杯で3-0で勝った。さらに、反対のゾーンでは世界ランク15位の韓国が同4位イタリアに勝利。09年以降12勝1敗の「アジアのライバル」とは、決勝や3位決定戦で戦う可能性が出てきた。

 大一番へ向けて、ダブルエースが輝きを増した。中国との133分間の激闘を制し、優勝したかのように歓喜の輪が広がった。28年ぶりの五輪メダルへ王手。徹底マークをかいくぐり、序盤に得点を重ねた木村は「すごい試合になりましたけど、今日の一戦のためにしっかりやってきましたので」と声を弾ませた。今や「ダブルエース」と呼ばれる江畑も続いた。「みんながすごくつないでくれた。とにかく思い切り打った」と中盤以降に豪打爆発。木村は32本、江畑が31本のスパイクを決め、ともに両軍最多の33得点を挙げた。

 真鍋監督も「この日のために3年半やってきた。最後はハート勝負。ダブルエースがよくやってくれた」と興奮した。09年以降の主要大会で屈し続けてきた「アジアの女王」を撃破した歴史的白星。難敵が次々と姿を消すロンドンで、日本はたくましく生き残っている。【近間康隆】

 ◆日本の4強進出国との相性 記録の残る93年4月以降、準決勝で対戦するブラジルとは通算6勝63敗。直近の昨年11月のW杯では3-0で勝っている。五輪では92年バルセロナ大会準々決勝(1-3)、04年アテネ大会1次リーグ(0-3)、08年北京大会準々決勝(0-3)と3戦全敗。世界ランク1位の米国とは通算44勝38敗で五輪では3勝2敗。通算31勝29敗の韓国とは、五輪で6勝2敗。

 [2012年8月9日9時27分 紙面から]



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