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吉田沙保里「言葉」と一緒に戦う

「勝」と書かれたお守りを手にロンドンへ出発した吉田(撮影・狩俣裕三)
「勝」と書かれたお守りを手にロンドンへ出発した吉田(撮影・狩俣裕三)

 レスリング女子55キロ級の吉田沙保里(29=ALSOK)が25日、決戦の地ロンドンへと旅立った。日本選手団の旗手として開会式に出席するため、レスリング選手団より一足早く出発。支えとなる「夢は大きく、常に向上心を!」の言葉を胸に秘め、日本女子初の五輪3連覇に挑む。選手たちが大切にする言葉「座右の銘」。つらいとき、苦しいときに力となる言葉とともに、ロンドン五輪日本代表は世界と戦う。

 開会式に向けて、吉田は「胸を張って堂々と歩きたい」と笑顔をみせた。チームメートと離れて旗手として、栄監督や斉藤コーチらと渡英した。「快眠」のために、日本協会が契約する西川産業の枕とベッドマットを持参。大きな荷物とともに、旅立つ胸には「大事な言葉」も秘めていた。

 「夢は大きく、常に向上心を」。世界に飛び出した中京女子大(現至学館大)時代から、吉田を支えている言葉だ。「好きですね。いつも、この言葉と一緒に戦っています」。過去2大会の金メダルも、この言葉とともに手にしていた。

 夢は大きく-。今大会も目標は金メダル、五輪3連覇だ。日本女子選手では誰も達成したことがない偉業に、63キロ級の伊調とともに挑む。「ここまで来たら力を出し切り、強気で戦いたい」。大きな夢を実現するために言った。「3連覇は意識しない」という伊調と違って、吉田はあえて口にする。「3連覇して、笑顔で帰りたい」。力強い言葉には、自信があふれた。

 常に向上心を-。強くなりたい一心で、競技を続けてきた。昨年の世界選手権で苦戦すると従来のタックルを改良し、接近戦からのタックルを模索した。しかし、結果が出ずに断念。先月からは元の形に戻した。常に進化を求めるからこその苦しみ。「悩んで、悩んだけれど、やっと調子が上がってきた」。満足せずに向上し続けるからこそ、10年連続世界一になれた。

 なでしこジャパンのMF沢とは、メールで「お互いに金メダルをとろう。私たちならできる」と励まし合った。20日には、ナショナルトレセンの食堂で卓球の福原愛、レスリングの浜口京子と記念撮影。アテネ、北京の旗手と健闘を誓い合った。「開会式を楽しみたい。試合も早くしたい」。女子レスリングのエースから日本選手団の「顔」となった吉田は、3度目の大舞台を前に笑顔で言った。【荻島弘一】

 [2012年7月26日8時41分 紙面から]



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