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フェンシング千田 故郷気仙沼パレードだ

銀メダルを獲得した千田(左)は表彰台で太田(右)と談笑(撮影・PNP)
銀メダルを獲得した千田(左)は表彰台で太田(右)と談笑(撮影・PNP)

 東日本大震災の被災地、宮城県気仙沼市で“銀メダルパレード”が実現する。ロンドン五輪フェンシング男子フルーレ団体で銀メダルを獲得した千田健太(27=ネクサス)の出身地の同市では、日本初のフェンシング団体メダルの快挙を受け、パレード開催の検討を開始。市役所から浸水した商店街を通り、気仙沼市総合体育館に到着するコースが有力になっている。復興への険しい道を歩む被災者に、勇気と希望を与えてくれそうだ。

 気仙沼市の菅原茂市長(54)はこの日の定例会見で、ロンドン五輪のフェンシング競技について話し始めた。「地元出身の千田選手と菅原(智恵子、女子フルーレ個人7位入賞)選手は、どちらも頑張りましたね」。記者から「千田選手のパレードを検討しますか」と振られると、「今日考えます」と明言。市長の発言を受け、市教育委員会体育振興係がパレードコースの検討を始めた。

 同係の担当者は「菅原選手も北京に続き、2大会連続7位入賞ですので、千田選手と2人のパレードをしたい」と話した。市内でスポーツ選手のパレードをするのは、05年に千葉県で行われた高校総体フェンシング男子団体で、千田の母校・気仙沼高校が31年ぶり3度目の優勝を果たして以来。千田の父健一氏が監督、弟康太が主将を務めていた。同担当者は「まだ復興が見えず、壊れた建物がたくさんある市街地で、銀メダルのパレードをするのは、意味があると思う」と、実現へ前向きだった。

 6日未明、千田の市内の実家では大型スクリーンが設置され、親戚や気仙沼高校OBら約30人がフェンシング男子団体フルーレ決勝を観戦した。金メダルを逃した瞬間はため息が漏れたが、すぐに「お疲れさん」と大きな拍手が湧き起こった。千田の祖母節子さん(84)は「帰ってきたら、おいしいものを食べさせてあげたい」と笑顔。同校フェンシング部OBで、気仙沼市で印刷業を営む菅原了さん(29)は、自宅と店が津波の被害を受けた。「『被災地のために』という気持ちが重荷にならないか心配だった。希望と誇りを与えてもらった」と喜んだ。

 気仙沼市では震災で1000人以上の死者を出し、基幹産業の水産業が深刻な被害を受けた。約3500戸の仮設住宅で、被災者が不自由な暮らしを強いられている。銀メダルを掲げる千田の姿が、復興へ向けての大きな力になりそうだ。

 ◆気仙沼市の被災状況 昨年3月11日の震災発生後、市内全域が停電。津波で市街地の3分の1が冠水した。気仙沼港の漁船用燃料タンクが津波で倒され、大火災が発生。燃えた漂流物が市街地に流れ込み、民家に延焼した。7月31日現在で死者は1038人、行方不明者は267人。1万5685棟の住宅、9500世帯が被災した。水産業の被害が大きかったが、気仙沼港は昨年6月に再開。離島の大島にある小田の浜(こだのはま)海水浴場は今夏、宮城県内で唯一、海開きした。

 [2012年8月7日9時22分 紙面から]





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