日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムです。



柔道 Judo
  1. トップ
  2. ニュース
  3. フォト
  4. 日本選手速報
  5. 日程&結果
  6. 選手名鑑
  7. 競技メモ
  8. メダル史

吉田監督 海老沼に「ふまじめの勧め」

決意をしたためた色紙を手に金メダルを誓う海老沼(左)と吉田監督
決意をしたためた色紙を手に金メダルを誓う海老沼(左)と吉田監督

 パーク24柔道部の吉田秀彦監督(43)が、ロンドン五輪柔道男子66キロ級代表の海老沼匡(22)に「ふまじめの勧め」を説いた。吉田監督と海老沼は11日、都内で行われたパーク24の壮行会に出席。同監督は「もっと遊び心を持って臨め」と激励した。誰よりも海老沼の実力を認める92年バルセロナ五輪金メダリストの同監督は、愛弟子の意識を変えるためにあえて爆笑発言を連発した。

 吉田監督は、強烈な言葉で海老沼を叱咤(しった)した。「勝てば天国、負ければ地獄」「ロンドンでは、おいしいお酒が飲みたい」「すぐに消極的になって、エビみたいになる」。本番直前の愛弟子に送る言葉を問われると「先輩にケガさせないこと」と、92年大会で古賀稔彦に重症を負わせたことまで自虐的なギャグにした。

 吉田監督の言葉は、どれも海老沼を奮い立たせようとしたもの。「匡は非常にまじめ。もっと遊び心があれば、余裕も生まれる」と話した。今春の入社後も技術より精神面のアドバイスが中心。「まじめ過ぎる」「もっと遊べ」と繰り返してきた。「少し変わった」と海老沼は言ったが、監督は「まだまだ」と厳しい。

 精神面を鍛えるのは、実力を認めているから。柔道の私塾「講道学舎」と明大で10年間と同じ道を歩む師弟。海老沼と同じ社会人1年目で迎えた92年大会を振り返り、吉田監督は「練習量に自信があった。だから金が取れた」と話す。「匡は僕と同じ量の練習をしている。だから、力を出し切れば勝てる」。五輪で力を出し切れない選手を多く見てきた。だからこそ、精神面の大切さを強調する。

 「勝ったら、エビのポーズをさせます」と、自ら体をくの字に曲げてみせた吉田監督。その思いを知ってか、海老沼も「最後は気持ち。思い切った柔道をしたい」と精神面の重要性を口にした。吉田監督の「ふまじめさ」「遊び心」を身につけた時、海老沼が五輪を目指すきっかけとなった92年大会のドラマがロンドンで再現されるはずだ。【荻島弘一】

 [2012年7月12日9時19分 紙面から]



五輪柔道コラム

Nikkan Olympic Judo Columns
柔道評論・細川伸二

柔道評論・細川伸二

ソウル五輪銅メダリスト、全柔連男子強化委員の細川伸二氏が五輪柔道を評します。

日本柔道惨敗の理由[5日09:57]