頼れる女の五輪！先陣柔道福見勢いつける

　いよいよ、女の五輪が始まる。ロンドン五輪日本代表選手団の本隊が開幕まで５日と迫った２２日、成田空港から出発。４８キロ級の福見友子（２７＝了徳寺学園職）らメダル量産が期待される女子柔道７選手ら選手・役員約１２０人がロンドンへ向かった。２大会ぶりに女子の選手数が男子を上回る「女性上位」大会。レスリング、サッカーなど元気な「なでしこ」たちが、金メダルラッシュを目指す。

　注目度の高さを表すように、福見の前にズラリとテレビカメラが並んだ。「金メダルを持って笑顔で帰ってきたい」。堂々の優勝宣言に、カメラのフラッシュが光る。大会２日目、柔道競技初日に登場する福見だが、気負いはない。「充実した練習ができた。みなさんの応援も力になる」。五輪初出場だが、口ぶりには女王の風格さえ漂った。

　圧倒的な優勝候補と言われる福見を筆頭に、女子柔道は金メダル候補ばかり。５２キロ級の中村が「福見さんに乗っていきたい」と言えば、７２キロ超級の杉本は「福見が勢いをつけて、最後は私が」と威勢のいい言葉を口にした。苦戦が予想される男子の篠原監督が「女子に頑張ってもらいますわ」と、充実した戦力を冗談交じりにうらやむほどだ。

　今大会は柔道だけではなく、女子の優位が予想される。レスリングは金メダル候補がズラリ、サッカーも金メダルを狙う。体操や競泳など男子優位の競技もあるが、ホッケーやバレーボールで女子だけが予選を突破するなど全体的には女子が元気。金メダル数も３大会連続で女子が上回りそうな勢いなのだ。

　福見は「レスリングの吉田さんや浜口さん、重量挙げの三宅さん、なでしこジャパンの人たちとも仲がいい。みんな一体となって戦う感じはあります」と女子選手の元気の秘密を明かした。味の素ナショナルトレセンができ、他競技の選手とも顔を合わせる。女子選手ならではの悩み、心配事を相談し合える環境があることも力につながった。

　「僕らも負けてられないし、金メダルを取ってきます」と男子１００キロ級の穴井は言った。女子の頑張りを見て男子が奮起すれば、全体のレベルアップにもつながる。開幕直後から始まる柔道、女子が男子を刺激し、男女の柔道が他競技を刺激すれば「チームジャパン」の金メダルラッシュが実現に近づく。【荻島弘一】

　［2012年7月23日9時54分　紙面から］