川澄、北京落選を成長の糧／なでしこ紹介

　ロンドン五輪に臨むサッカー女子の日本代表が決まった。金メダルを目指す「なでしこジャパン」の１８人を紹介する。

＜ＭＦ川澄奈穂美（２６＝ＩＮＡＣ神戸）＞

　川澄は「今は大舞台を楽しみな気持ちで迎えられる」と確かな自信を胸に、初の五輪でのプレーに思いをはせる。

　身長１５７センチと小柄だが、持久力測定は代表で常にトップ。一瞬の速さも備え、左４５度からのシュートは実に正確に放つ。戦術眼も確かで、優勝した昨年のワールドカップ（Ｗ杯）決勝では、佐々木監督に丸山（大阪高槻）とのポジションチェンジを進言したほどだ。

　Ｗ杯準決勝で先発に抜てきされ、いきなり２得点と大活躍。大会後はアイドル的な扱いを受けた。だが「どういう結果が出て、どう言われても何も変わらない。究極を言えば自分のため、大好きなサッカーのためにやっている」と自らを見失うことはなかった。

　小学生時代から着実に努力を重ねてきた。大学時代には膝の靱帯（じんたい）断裂を克服し、北京五輪の代表落選も「次を目指す経過」と成長の糧にした。「大事なのはここから」と気を引き締める姿も普段通り。五輪でも平常心で、大仕事をやってくれそうな予感が漂う。（共同）

　［2012年7月17日16時49分］