清水ＭＦ村松、五輪代表決定「結果残す」

　日本サッカー協会は２日、ロンドン五輪日本代表メンバー１８人を発表し、清水からＭＦ村松大輔（２２）が選出された。今季、開幕からリーグ１５試合に先発出場と好調を維持。５月のトゥーロン国際大会（フランス）で約１年ぶりに同代表に招集されると、体を張った守備が評価され、大舞台への切符をつかんだ。

　本拠地アウスタに用意された会見場で無数のフラッシュを浴びながら村松が姿を見せた。スーツ姿で壇上に登ると、時折笑顔を見せながらも力強い口調で意気込みを語った。「選ばれた時はびっくりしました。ただ、日本代表に選ばれたわけですから、強い気持ちを持って五輪に臨みたい」。藤枝東出身で清水、磐田を通じてもただ１人、静岡勢のサッカー五輪代表の決意だった。

　大逆転で夢への扉を開いた。昨年６月のロンドン五輪アジア２次予選クウェート戦以来、同代表に呼ばれることはなかった。「正直諦めてました。チームの勝利に貢献しようとだけ考えていましたね」。この気持ちの切り替えが好転につながった。名古屋との開幕戦で先発を勝ち取ると、不動の１ボランチとして１５試合に先発出場。高いボール奪取能力で幾度となく相手の攻撃を寸断。チームの原動力となってきた。

　この活躍が評価され、５月のトゥーロン国際大会で１年ぶりに代表に呼ばれた。先発したオランダ戦では、持ち前のハードな守備で存在感を発揮。「良いアピールができたと思う」と、手応えをつかんでいた。

　迎えた運命の発表当日は、家族と迎えた。午前５時には目が覚めるほど緊張しながら午後２時すぎ、インターネット中継で１０番目に「ＭＦ村松」と呼ばれたことを確認した。「時間がすごく長く感じた。本当に良かったです。ただ、選ばれたことがゴールじゃない。全試合に出場して結果を残さなきゃ意味がない」。その視線は、初戦のスペイン戦。そしてメダルへと向けられていた。【前田和哉】

　［2012年7月3日10時15分　紙面から］