麻也間に合った！18日ベラルーシ戦出る

　【パッキントン（英国）１７日＝福岡吉央】麻也、復帰プラン見えた！　英国入りした男子サッカー五輪代表の直前合宿が始まった。右膝内側側副靱帯（じんたい）を損傷していたオーバーエージ（ＯＡ）枠のＤＦ吉田麻也（２３＝ＶＶＶ）が１６日午後の練習で、全体練習に合流。１７日も精力的な動きをみせた。今日１８日のベラルーシ戦（ノッティンガム）での時間限定出場も決まり、２１日のメキシコ戦でのフル出場も志願。順調にいけば２６日の五輪１次リーグ初戦スペイン戦にも万全の状態で挑めそうだ。

　頼れるアニキがついに全体練習に加わった。１６日に行われた練習では、ハーフコートを使っての紅白戦。センターバックのポジションでＤＦ鈴木とコンビを組み、左サイドバックに入ったＤＦ徳永とも連係を確認。１７日午前の練習でも、守備陣対攻撃陣の練習で、鈴木とのコンビでプレーした。まだ右膝にはテーピングが何重にも巻かれた状態だが、不安を感じさせる動きはなかった。

　「（右膝は）日に日によくなっている。状態は今で８５～９０％です」

　吉田は６月８日に行われたＷ杯アジア最終予選ヨルダン戦（埼玉）で右膝内側側副靱帯を損傷し、全治３週間の診断を受けた。その後、回復が遅れ、１１日に行われたニュージーランドとの壮行試合（国立）には欠場したが、今日１８日のベラルーシ戦出場も決まった。

　「明日は時間はどれだけかは分からないけど、出ることは間違いない。メキシコ戦は９０分フルで出たい。良くはなっていると思うし、そんなに大きな不安はない」。メキシコ戦でフル出場し、体調万全にした状態でスペイン戦を迎えるという青写真を描いた。

　北京五輪では初戦の米国戦で敗れたことが尾を引いて、３敗で１次リーグ敗退。それだけに初戦の重要性を口にする。自身も敗退が決まった後のオランダとの第３戦にしか出場できなかっただけに「初戦のスペイン戦にすべてをかけたい。向こうも日本を警戒しているし、向こうにとっても楽な試合ではない」と、リベンジに燃えている。

　同じＯＡのＤＦ徳永との連係も不安はない。「徳さんは経験もあるし、やることは分かっている。少し（一緒に）やればフィットする。不安はない」。

　復帰を支える頼もしいアイテムもある。チームは合宿地に入浴剤を大量に持参。ＪＯＣ（日本オリンピック委員会）とオフィシャルパートナーシップを結ぶバスクリン社から提供されたもので、温泉ミネラル成分や生薬成分を配合した非売品。ピッチ外でも疲労回復アイテムを使い、体調を整えていく。

　「（日本は）ポテンシャルはあると思う。それを出せるか。若いチームだからそこが重要。心の準備もしっかりしたい」とＯＡらしい発言も頼もしい。吉田は４年前の悔しさを胸に、まずは初戦のスペイン戦に全力を注ぐ。

　［2012年7月18日7時9分　紙面から］