日本不可解采配…勝っただけ／親善試合

＜国際親善試合：日本１－０ベラルーシ＞◇１８日◇英ノッティンガム・シティグランドスタジアム

　関塚ジャパン、大丈夫？　ロンドン五輪に臨む男子五輪代表がベラルーシ五輪代表と国際親善試合を行い勝利した。途中出場のＦＷ杉本健勇（１９＝Ｃ大阪）が後半３６分に決勝点を挙げたが、前評判の高くない相手に試合終盤まで攻めあぐねる展開。本番直前の貴重な実戦機会で、バックアップメンバー４人を出場させる起用法もあり、何とも消化不良な一戦となった。

　雨の中の一戦は、しこりが残る内容となった。試合終了の笛が鳴ると、関塚隆監督（５１）はコーチ陣と握手を交わした。だが、その表情はどこか硬かった。

　「攻め込みから、もう１つ崩しの迫力が足りなかった。狙いを持って守備をしようと、積極的な姿勢は見えた」

　オーバーエージ（ＯＡ）枠のＤＦ吉田麻也（２３＝ＶＶＶ）が同代表初出場を果たし、現地で合流したＤＦ酒井高徳（２１＝シュツットガルト）との最終ラインで無失点でしのいだ。それでも、立ち上がりから何度もゴール前に攻め込みながら、主力組で臨んだ前半４５分ではゴールネットを揺らせなかった。

　１１日の壮行試合ニュージーランド戦。日本は１９本のシュートを浴びせながら１得点に終わり、終了間際に同点に追いつかれた。試合後、関塚監督は「クロスを（相手）ＤＦの前ではね返されることが多かったし、クロスに対しての入り方も課題。もう１回締めて臨みたいと思う」と話していた。しかし、この日の試合でもサイドからのクロスにＦＷ大津、ＭＦ宇佐美が合わせられないシーンがあった。ＭＦ清武、ＦＷ永井は決定的なチャンスを得たが、シュートはＧＫ正面か、枠を大きく外れるばかり。何度も天を仰いだ。課題は解消されず、依然、決定力不足は否めないままだ。

　ベラルーシ代表はトゥーロン国際で１分け２敗でグループリーグ敗退。この日のスタメンは全員が国内組で、決して強敵とは言い難い。その相手に、後半残り１０分を切ってようやく得点を挙げた。２日前に現地合流したばかりの宇佐美は「ある程度形はできていたけど、もっと決定的な場面を増やさないといけない。１点だけじゃなく、もっと詰めていかないと」と本音を漏らした。

　疑問が残る采配もあった。後半１７分にバックアップメンバーのＧＫ林、ＭＦ米本、ＤＦ大岩を投入。３１分にはＦＷ山崎も入れた。関塚監督は同メンバー起用の意図を「気候のこともあるし、しっかりコンディションを整えて、多くの選手に出場機会を与えたかった」と説明した。しかし本大会は出場できないバックアップメンバーを優先し、正式メンバーのＧＫ安藤には出場機会を与えなかった。

　２６日の初戦スペイン戦まで、あと１週間。最終調整は、２１日のメキシコ戦の１試合しかない。「戦い方はチームに浸透したと思う。あとは１人１人のコンディションを本大会に持っていきたい」と指揮官。メキシコ戦の内容に、すべてにかかっている。【福岡吉央】

　［2012年7月19日7時16分　紙面から］