日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムです。



サッカー Soccer
  1. トップ
  2. ニュース
  3. フォト
  4. 日本戦速報
  5. 日程&結果
  6. 男子決勝T
  7. 女子決勝T
  8. 選手名鑑
  9. 競技メモ
  10. 五輪史
  11. 歴代成績
  12. なでしこジャパン

なでしこ仮想準々決勝完敗/親善試合

先制ゴールを奪われ、ぼうぜんとする沢穂希(中央)らなでしこジャパンの選手たち
先制ゴールを奪われ、ぼうぜんとする沢穂希(中央)らなでしこジャパンの選手たち

<国際親善試合:日本0-2フランス>◇19日◇フランス・パリ

 赤なでしこが本番直前に痛い黒星を喫した。なでしこジャパン(FIFAランク3位)がフランス(同6位)との五輪親善試合で完封で敗れた。フィジカルで圧倒された上、不安定な守備で2失点を許すと、攻撃は長い芝生に苦しめられ本来のパスサッカーを展開できず、昨年7月のW杯イングランド戦以来18試合ぶりに無得点。五輪初戦となる25日の1次リーグ、カナダ戦を、不安を募らせ迎えることになった。

 課題の立ち上がりを乗り越えた先に、大きな試練が待ち受けた。前半24分、右からのアーリークロスで裏を突かれ、再三のピンチを防いでいたなでしこジャパンのゴールを割られた。序盤のフランスの猛攻を防いだ後の失点。五輪前、最後の親善試合で暗雲が立ちこめた。

 フランスの芝生が、ボールの勢いとともになでしこの攻撃を殺した。長い芝生に苦しめられ、なでしこの生命線であるパスサッカーが序盤から鳴りを潜めた。前半11分にMF宮間あや(27=岡山湯郷)が蹴ったボールはスピードを落とし、相手DFがカット。同14分には同様にDF熊谷のボールからショートカウンターを受けた。本大会で勝ち上がればフランスと対戦の可能性もあり、「仮想準々決勝」は後手に回るハメになった。

 佐々木則夫監督(54)が言った「一番いい色のメダル」を目指す五輪に向けて、自分たちの力を測る意味は大きい。1-4で敗れた米国戦(6月18日)での敗戦を受け、まず同監督が課題として「立ち上がりの入り方がどれくらいできるか。プレッシングの状況はどうなのか。良い条件でボールを得たときのゴールまでの過程。大柄な選手へのセットプレーで攻守の対応」と掲げたテーマは、どれもクリアされなかった。

 ただ、失点で開き直った日本がようやく「らしさ」を出したのが前半終了間際だった。FW大野がファウルを受け、同43分に獲得した直接FK。宮間が放ったシュートは相手GKにはじかれ、つめたMF沢のシュートは惜しくも左ポストをたたいてはね返された。

 後半22分にはFW川澄に代えて19歳のFW岩渕を投入し反撃を狙ったが、逆に同28分に左CKから頭で合わされ追加点を奪われた。課題の1つでもあったセットプレーから、フランスDFルナールの187センチの高さに屈し追加点を許した。守備で粘れず攻撃も沈黙。なでしこ新記録となる5戦連続ゴールのかかったFW大儀見は不発に終わった。昨年7月のW杯で唯一敗れたイングランド戦(0-2)以来18試合ぶりの完封負けを、本番前に喫した。

 これまでもこの先も、常について回る「フィジカル」という壁を打ち破る力が、この日のなでしこには存在しなかった。唯一の収穫は、良性発作性頭位めまい症で復帰したばかりのMF沢が、昨年9月以来のフル出場を果たしたこと。「サッカーから離れた時期にいろいろ考えたし、もちろん頂点めざしてやるつもりですけど、どのチームも強い。やるからには一丸となってメダルを獲得したい」と沢。限られた時間で、立て直しを図るしかない。【鎌田直秀】

 [2012年7月20日8時14分 紙面から]



五輪サッカーコラム

Nikkan Olympic Soccer Columns
セルジオ越後の辛口ジャッジ

セルジオ越後の辛口ジャッジ

セルジオ越後がサッカー五輪代表を辛口チェック

攻めて勝つ日本になれ[13日09:25]

サッカー解説・鈴木良平

サッカー解説・鈴木良平

女子日本サッカー代表初代監督がなでしこジャパンの戦いぶりを解説。

中盤守備課題 個の強さ磨け[11日08:49]

サッカー評論・宮本ともみ

サッカー評論・宮本ともみ

「ママさんボランチ」宮本ともみが、なでしこジャパンの戦いぶりを評します。

若い世代に夢与えられた[11日08:49]