杉チャンスだぜぇ～　スペイン撃破自信

　【グラスゴー（英国）２４日＝福岡吉央】男子五輪代表のＦＷ杉本健勇（１９＝Ｃ大阪）が明日２６日の１次リーグ初戦、スペイン戦（ハムデンパーク）でのゴールを狙う。２０１０年にはＵ－１９（１９歳以下）日本代表としてＵ－１９スペイン代表に勝利。五輪代表の１８人の中で唯一、スペインに勝った経験を生かし、少ないチャンスを得点に結びつけ、優勝候補から金星をつかみとる。

　決戦を２日後に控え、ＦＷ杉本が本番モードに切り替わった。２３日に行われたグラスゴー入り後、初の練習では、サブ組の１トップに入り、雨の中でシュートを連発。スペイン戦出場に向け、必死にアピールを繰り返した。

　「すでに気持ちは入っている。（２２日に）スタジアムに（選手用パスを受け取りに）行き、いよいよだなと思った。スペインの映像も見たけど、戦い方を変えるつもりはない。自分たちのサッカーをしたい。相手のＤＦはフィジカルが強くてスピードもあるが、隙は所々にあると思う。少しの隙を見つけてワンチャンスをものにしたい」

　２１日のメキシコ戦では３試合連続得点を逃したが、１１日のニュージーランド戦、１８日のベラルーシ戦では２試合連続ゴール。グラスゴー入りしてからも調子は保っている。

　五輪代表の中で唯一、過去にスペインを破ったことが大きな自信となっている。Ｕ－１９日本代表の一員としてＵ－１９スペイン代表と対戦したのは１０年８月２１日に静岡で行われたＳＢＳ杯・国際ユースサッカー。日本はＦＷ永井龍（２１＝Ｃ大阪）の２得点で２－０で勝利。杉本も後半５分から途中出場。得点こそ逃したが、スペインゴールに果敢に迫った。

　「あの時のことは覚えています。技術的にはすごかったけど、自分も全然負けていなかった。スペイン相手にもやれると思った」

　当時の試合に出場していたＭＦイスコ（２０＝マラガ）も「日本はとてもハードなチーム。彼らと対戦した時、試合を通して走り続けていた。ここ数年すごい飛躍を遂げているチーム」と話したほどだ。

　杉本は０９年にナイジェリアで行われたＵ－１７Ｗ杯にもＭＦ宇佐美とともに出場するなど、世界を経験していない選手が多い五輪世代の中でも国際経験は随一。チーム唯一の１０代はこれまでに培った絶大な自信を胸に、五輪で日本の救世主となる。

　［2012年7月25日7時15分　紙面から］